日本で2大勢力を誇っている遺伝子検査、Yahoo!ともコラボレーションしているGenelife ZERO(この記事を書いている数日前に新商品のGenelife NEOなるものが出ていますが)の遺伝子検査結果とDeNAのMYCODEの遺伝子検査結果を比較してみた結果が個人的にも興味深かったので、ここでまとめて公開してみたいと思います。
たぶん遺伝子検査キットを複数個注文する人ってそうそういないと思います。なので、実験ということで。
ボクは頭が良くないので、データの読み取り方や受け取り方がすごく曖昧なんだと思いますが、 注文するのは専門家じゃなくてボクのような普通の人間がほとんどだと思うので、普通の人目線で見て頂けましたら幸いです。
遺伝子検査が初めてという方の予備知識として、病気の遺伝子検査はオッズやリスクという言葉で「日本人の中でどのくらいその病気になりやすいか」というレートが出てきます。受験でいう偏差値みたいなものです。
1倍だと平均。1.5倍だと平均より1.5倍なりやすく、0.5倍だと平均の半分のリスクだということを示しています。
では、実際にいくつかの病気のリスクで比較してみます。
2型糖尿病のリスク
2型糖尿病は飲み過ぎ食べ過ぎが原因で発症する糖尿病。
Genelifeによる2型糖尿病のリスク検査結果
1.33倍という結果が出ました。通常の人より2型糖尿病になるリスクが1.33倍高いということです。
MYCODEによる2型糖尿病のリスク検査結果
0.61倍という結果が出ました。あれ?普通の人の半分しかリスクがないという結果です。
2型糖尿病のリスク結果へのコメント
平均よりかかりやすい・・・Genelife
平均よりかかりにくい・・・MYCODE
ねえ、どっち!?!?
痛風のリスク
尿酸の結晶が関節にたまってめちゃめちゃ痛いらしい(なったことない)、あの痛風。
Genelifeによる痛風のリスク検査結果
通常の人より1.17倍リスクがあるという結果が出ました。まあ、微妙、ですよね。
MYCODEによる痛風のリスク結果
あれ、0.65倍。平均よりも大分なりにくいという結果が出ました。
痛風のリスク結果へのコメント
ねえ、、どうすれば・・・
最後にもう一つだけ。
円形脱毛症のリスク
言わずもがな、10円ハゲってやつです。なったことはない。
Genelifeによる円形脱毛症のリスク検査結果
1.66倍。かなりなりやすい「High」のところまで行ってしまっています・・・。
MYCODEによる円形脱毛症のリスク検査結果
こちらはGenelifeの結果と対極な結果が出ました。 平均の半分の半分程度のリスクしかありません。
円形脱毛症のリスク結果へのコメント
うん・・・・。
遺伝子検査の結果を信じるか、信じないか
というわけでここまでGenelife(Yahoo!)とMYCODE(DeNA)の検査結果を比較して、あれ?、と思って頂けたかと思います。 ただしコレには以下の2つの理由があるということだけ添えておきます。
- 検査している「遺伝子」が違う。
- オッズ(リスク比)に対する考え方が各検査毎に違う。
まず1について。この2つの検査は、「検査項目名」は同じでも「検査している遺伝子」は異なります。そのため、異なる結果が出ても当然といえば当然なんです。
ただし「検査結果がアテになるのか?」という問いの答えにはなりませんが・・・。
次に2について。オッズに対する考え方ですが、私の場合、Genelife ZEROでのオッズ比は最小で「オッズ比1倍」でした(下記画像参照)。
どんなに結果が良くても「オッズ比1倍」なんです。つまりリスクが「LOW(低い)」状態がオッズ比1倍となっていました(なんか、健康危機を煽っている感が否めません・・・)。確かにどんなに健康な人でも病気になる可能性はあるわけで当然なのかもしれませんが・・・。
これに対して、MYCODEのほうはリスクが0.◯倍-1.◯倍という書き方です。
なので2つを比べるとごちゃごちゃになってしまうんですね・・・。
これは業界のほうで書き方を統一していただかないとボクみたいなアホは混乱してどうしようもないです・・・。
念のため書いておきますが、両検査の結果が一致した項目も多々ありました。ただし、病気のリスク、オッズ比の数値が一致した項目はありません。
複数の遺伝子検査を行うとまず間違いなく混乱するかなと思います。
検査会社に何が言いたいのかって、ボクなんかが言ってもあれですけど「まだまだだね」というテニスの王子様ばりのセリフを吐き捨てたい。人生で一度は言ってみたかった。
そして、これから遺伝子検査を行おうとしている方、特に、1つだけの遺伝子検査を行って、その結果を絶対視しようとしている方、に申し上げたい。
上記を参考に、検査結果が悪くても深く考えすぎるのは絶対にやめましょう。
正直申し上げますと、ボクも初めて遺伝子検査をやったときは喜んだ結果もありましたし、落ち込んだ(将来を悲観してしまった)結果もありました。
遺伝子という言葉にはそのくらい何か絶対的な力があります。
でも、複数の遺伝子検査をやっていると、「ん?」って思うことが多々あり、「遺伝子検査なんかで一々落ち込んでられねーや、ていうかあくまで参考だし!面白いからやってるだけだし!」と思うまでになりました。この記事をここまでお目通し頂けたあなたにならその理由はもうご理解頂けると思います。
お願いです。もしもあなたの周りで1つだけ遺伝子検査を行って落ち込んでいらっしゃる方がおられましたら、この記事を見せてあげてください。そして、一緒に遺伝子検査業界に言ってやりましょう。「まだまだだね」と。