東京カレンダー
- 最新!! 1月号
11月21日発売
東京カレンダー
ふるい映画って、あたらしい。
新井浩文、山本モナ、江口寿史
- シフォンワンピース 48,300円(AKIKO OGAWA/ブランドニュース tel.03-3797-3673)
私の育った尾道は、小津安二郎監督の『東京物語』や大林宣彦監督の『さびしんぼう』など、数々の名画のロケ地となった街。今は全部なくなってしまいましたが、実家から歩いて5分ほどのところに映画館が4つありましたし、子供の頃はよく撮影も行われていて。『時をかける少女』などは学校の授業の一環で何度も観た記憶があります。まさに当時は“映画の街”という風情が街全体にありました。それから『転校生』の一場面には私の暮らしていた家が映っていて。これは映画ファンにうらやましがられます(笑)。小学生の頃観て、今でも鮮明に覚えているのが『エルム街の悪夢』と『プラトーン』の2本立て。当時は『エルム…』のフレディの爪の凄さばかりに目がいって、『プラトーン』のすばらしさが理解できたのは、大人になってからでした(笑)。こういう原体験がありますから、映画は私にとって子供のころからすごく身近であるとともに、かけがえのないもの。それは今も変わることはありません。
広島県尾道は「映画の街」としてその町の歴史を刻んできた。ところが2001年、その街で映画の灯が途絶えてしまう。街の唯一の映画館「尾道松竹」が閉館してしまったのだ。この信じ難い事実に、ひとりの女性が立ち上がる。尾道在住の河本清順。彼女は街の映画館の再建を呼びかけ、有志らと2004年に「尾道に映画館をつくる会」を発足させる。この試みには地元出身の山本モナも賛同し、ボランティアで参加。活動は次第に広がり、2006年の「NPO法人シネマ尾道」設立を経て、遂に市民募金によって、2008年、旧尾道松竹を「シネマ尾道」としてオープンに導く。それは同時に、映画の街・尾道が、再び映画の灯を取り戻す瞬間だった。
現在同劇場の運営をする彼女はプログラム作りに余念がない。
「劇場の立ち上げ段階からお世話になっている、ミニシアターを経営されている先輩方から、情報を収集して。基本的には幅広い客層に楽しんでいただけ、かつ地元のみなさんに本当に観て欲しい作品を選ぶよう心がけています」と語るように劇場は1つのスクリーンながら、ラインナップにはメジャー系からアート系、ドキュメンタリーにアニメーション、古い日本映画の特集など、バラエティ豊かで、まさに古きよき名画座の装いだ。
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「映画館は街の文化発信拠点、コミュニティの再生の場になりうる場所だと思うんです。ですから50年先も100年先も、尾道に長く残していける場所にしていきたい。そのために、もっともっと地元のみなさんに愛してもらえる場所になるよう努力する毎日です」と語る彼女。 |
- やまもと・もな
バラエティ番組やラジオなど、幅広いフィールドで活躍。7月17日~25日に新宿区立新宿文化センターで上演される舞台『新宿ミッドナイトベイビー2010~さよならマロンのママ~』では初の女優業に挑む。
- photogaraphs:Kei Masuda styling:Ayako Sakuma hair-make:Satoshi Nihouda
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映画的興奮と社会的な視点を兼ね備えた作品作りを目指して。
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山本モナさん、実は映画館の経営者だったんです!
2010年8月号 6月21日発売 アクセス・パブリッシング社 特別定価780円 『東京カレンダー』公式サイトをチェック!
2014/11/24 集計