ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

社内でスーパープレゼンテーションは必要か?
感化された“TEDかぶれ病”につける薬

秋山進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]
【第8回】 2014年11月25日
1
nextpage

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属している。しかし、組織はある目的のために集まった人たちで成り立っているにもかかわらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥る。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけないことだ。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」について症例を挙げて紹介。経営とリスクマネジメントの観点から数多くの企業を見てきた筆者プリンシプル・コンサルティング・グループ代表取締役の秋山進さんが考える治療法も提示する。

内容よりイメージ勝負!?
日本企業のプレゼンは本当に良くなったのか

 「最近、社内の会議で写真や図やらを映写して偉そうに歩きまわってプレゼンする奴がいるんだよ。なんだっけ。テクノとか言ったな」

 いえいえ、TED(テッド)です。

 「あれってどうにかならんかな。偉そうに話す割に内容が考えられていなくて、途中でちょっと質問したらあえなく沈没してしまったよ」

 パワーポイントが浸透したこの20年で、日本のプレゼンテーションは劇的に変わった。それまでは「文章」をだらだら読むだけの人ばかりという印象だったが、今では写真やグラフを多用して「ビジュアル」を作り上げ、雄弁に語る人が増加している。

 プレゼン技術は格段に上がった。しかし、そのすべてが「社内的に」評判がいいかといえば、そうでもない。

1
nextpage
slecial-information
関連記事
クチコミ・コメント

DOLSpecial

話題の記事

秋山 進 [プリンシプル・コンサルティング・グループ株式会社 代表取締役]

リクルート入社後、事業企画に携わる。独立後、経営・組織コンサルタントとして、各種業界のトップ企業からベンチャー企業、外資、財団法人など様々な団体のCEO補佐、事業構造改革、経営理念の策定などの業務に従事。現在は、経営リスク診断をベースに、組織設計、事業継続計画、コンプライアンス、サーベイ開発、エグゼクティブコーチング、人材育成などを提供するプリンシプル・コンサルティング・グループの代表を務める。京都大学卒。国際大学GLOCOM客員研究員。麹町アカデミア学頭。

著書に『「一体感」が会社を潰す』『それでも不祥事は起こる』『転職後、最初の1年にやるべきこと』『社長!それは「法律」問題です』『インディペンデント・コントラクター』『愛社精神ってなに?』などがある。


組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進

日本には数多の組織があり、多くの人がその中に属しています。組織は、ある目的のために集まった人たちで成り立っているにも関わらず、一度“病”にかかれば、本来の目的を見失い、再起不能の状態へと陥ります。しかも怖いのが、組織の中の当人たちは、“病”の正体が分からないどころか、自分たちが“病”にかかっていることすら気づけない点です。

この連載では、日本の組織の成長を阻害している「組織の病気」を症例を挙げて紹介。コンプライアンスの観点から多くの企業を見てきた筆者が考える治療法も提示します。

「組織の病気~成長を止める真犯人~ 秋山進」

⇒バックナンバー一覧