8月30日、ナショナルズ対マリナーズの試合前練習が始まる前のこと。ナショナルズのイアン・デズモンドに、この秋の日米野球に参加する予定があるかどうかを尋ねると、「子供が生まれるから、行けないんだ」とナ・リーグ屈指の遊撃手は答えた。そして「(ブライス・)ハーパーは行くはずだから、聞いてごらん」と教えてくれた。
そのハーパーをクラブハウスで探したものの姿はなく、ダッグアウトで待っていると、16歳で米スポーツイラストレーテッド誌の表紙を飾り、「選ばれしもの」と紹介された彼が、打撃練習用のバットを持って現れた。
■日本行きを楽しみにしていたハーパー
史上最年少の19歳でオールスターゲームにも選ばれた彼は、まだ22歳になったばかりだが、早くもスーパースターのオーラをまとう。どこか話しかけにくい雰囲気さえ漂うが、「日米野球に参加すると聞いたけれど」と、彼の背中に声を掛けるとパッと振り返り、「そう、その通りだよ」と気さくに応じた。
そのまま、少しだけ話を聞いてもいいかと尋ねる。打撃練習前の慌ただしい時間だったので、後でと断られることも覚悟したが、「もちろんだ」。むしろ乗り気だった。
日本は初めて? 「初めてだ」
なぜ、行こうと? 「ずっと行きたいと思っていた国なんだ。2カ月ぐらい前かな。日米野球があるけど、興味はあるかって連絡があったんだ。その場で『行きたい』って返事をしたよ」
日本で体験してみたいことは? 「文化にも触れてみたいと思うけれど……。食事が楽しみ。すしが大好きなんだ。日本でのすしはアメリカとは違うと思うから、ぜひ食べにいきたいね」
■「個人的な理由」で直前に出場辞退
その後、逆に質問をして来たのは、ハーパーの方。
「どこで試合をするんだ?」。大阪、東京、札幌、沖縄。
「サッポロということは、ダルビッシュ(有)がプレーしたところか?」。そう。その球場でも試合が行われる。「へぇー。楽しみだなぁ」。
彼の場合、オフに入っても代理人らから乗り気な様子が伝わってきた。しかし、11月7日に出場を辞退。理由は個人的なこととしか、発表されていない。彼は来年1月に結婚式を控えている。その準備なのかどうか。
8月20日(日本時間)、最初に日米野球のメンバーが発表されたときに名を連ねたオリオールズのアダム・ジョーンズも、来日を楽しみにしていた。
今回の日米野球、米メディアの興味が薄かった。いや、当初はそうでもなかった。
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