化学調味料が偏頭痛・緑内障を引き起こす!?

2014年11月23日 09時00分 (2014年11月25日 10時03分 更新)

 昭和30年代~40年代中ごろ、「化学調味料は頭を良くする」という風説を信じ込んでいる家庭が多かった。食卓に上がる漬物類などは、化学調味料で真っ白になっていたものだ。高名な大学教授が言う「グルタミン酸は脳が活動する時になくてはならない物質。だから、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)は脳に良い」というおかしな論理を多くの日本人は真に受けてしまったのだった。

 それから半世紀近く経った今日、さすがに真っ白になった漬物を出す家庭は見かけなくなったが、化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)はあらゆる食品に添加されるようになった。もはや「化学調味料で頭が良くなる」と思い込んでいる人はいないだろうが、「化学調味料が健康に悪影響を与える可能性がある」ということが知らされていないのも事実だ。

 テレビでは化学調味料の毒性に関する報告を取り上げることはタブーだし、大手メディアなどで書こうものなら、広告部を通して猛烈な圧力が編集サイドにかかってくるのは常識。どこの社の編集部も「化学調味料のことには触れないで」と言ってくる。これでは、多くの人が知らずにいるのも無理はない。

 アミノ酸の一つであるグルタミン酸は、通常の食事をしていれば体内で合成される非必須アミノ酸で、ヒトの生命維持活動には欠かせない物質である。神経伝達物質として脳への働きかけも行う。また「うま味」の成分でもあり、グルタミン酸のナトリウム塩が食品添加物の化学調味料(グルタミン酸ナトリウム)として利用されている。

 2006年、グルタミン酸ナトリウムは米国国立医学図書館と米国国立衛生研究所が運営する健康情報サイト「The Medlineplus Medical Encyclopedia」において「偏頭痛を起こす物質(グルタミン酸ナトリウムを含む食品)」に指摘されている。原因不明の偏頭痛に悩まされている若い人は、食品を購入するときはその原材料表示に気をつけたほうがいいかもしれない。「調味料(アミノ酸等)」との記載があれば、グルタミン酸ナトリウムがまず間違いなく使われているからだ。

 グルタミン酸ナトリウムの過剰摂取は、眼への悪影響も懸念される。

 2002年に弘前大学医学部の研究グループが「高濃度のグルタミン酸ナトリウムが緑内障の原因になる可能性がある」と、動物実験(ラット)の報告を発表した。弘前大学医学部は緑内障の研究で知られているが、緑内障の患者に硝子体(水晶体の後ろにある眼球を満たしているゼリー状の物質)中のグルタミン酸レベルが上昇したことを発見したのが、この動物実験のきっかけであった。

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