夢は、ひとまず封印した。金子が今オフのメジャー移籍を断念。2015年は国内でプレーすることを決めた。
「今回のオフにポスティングはしない方向で考えています。(理由は)いろいろありますが、まだすべてが決まったわけではないので」
昨オフの契約更改交渉で、球団に将来的なメジャー挑戦の意思を明かした。10月下旬にはサンフランシスコを訪れ、ワールドシリーズを観戦。有力代理人のアーン・テレム氏とも契約した。
一方で今月11日に国内FA権の行使を表明。野球協約では、国内FA宣言選手のポスティング利用が制限されていない。オリックスが最大2000万ドル(約23億6000万円)の譲渡金と引き換えにポスティングを容認すれば、今オフのメジャー移籍も可能だった。
ところがオリックスは、宮内オーナーが強い不快感を表明し、ポスティングを認めなかった。国内他球団に移籍した場合には、ポスティング申請が可能になるのは最短で来オフ。これもソフトバンク、阪神などが容認しない方針を打ち出した。金子にとって、大きな誤算だった。
事態が急転したのは、21日。金子の代理人がオリックスとの交渉後に、ポスティングを利用しないことを伝えた。
並行して代理人は国内11球団に条件を提示してくれるよう打診。同日、DeNAが来オフのポスティング容認を前提とした交渉を進める意向を示した。これを受け、オリックスも4年総額16億円以上という金銭面の上積みだけでなく、優勝などの条件付きで来オフ、メジャー移籍を容認する方針に転じた可能性がある。事実、球団幹部は「改めて示した条件面に納得したのだろう」と金子側の変化を推察した。