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【広島土砂災害】
高額すぎ?市職員の残業代、最高277万円 総額12億円「交代要員少なく…」
広島市の土砂災害をめぐる一般職員の時間外勤務手当が、8月20日の災害発生から10月末までで総額約12億3200万円に上り、1人当たりの最高額は277万6千円だったことが、関係者への取材で分かった。高額な残業代に、被災地住民からは疑問の声も聞かれた。
広島市によると、災害発生から10月末までに残業した一般職員は5280人。この間の1人当たりの時間外勤務手当は平均23万3388円で、最高額は635時間の時間外勤務をした消防局職員だった。
1カ月間の時間外勤務手当が100万円を超えた職員は9人おり、うち消防局は8人。1カ月間の最高額は127万1082円で、平均時給は4428円。
これとは別に管理職員特別勤務手当(309人)は総額約2200万円、消防団への報酬約3200万円などがあり、市は災害関係の人件費計約12億8800万円を補正予算案に盛り込み、12月定例議会に提案する。
広島市安佐南区自主防災会連合会会長の寺尾一秀さん(77)は「通常業務以外で対価として支払われているのでやむを得ないが、ほかに交代要員がいなかったのかなとも思う」と話している。
広島市では「情報収集や他機関との調整などに追われ、交代要員の少ない部署では時間外勤務が多くならざるを得なかった」としている。