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2014-11-24

[]3DCG映画「楽園追放」のレビューもろもろ(ネタバレ無し) 3DCG映画「楽園追放」のレビューもろもろ(ネタバレ無し)を含むブックマーク

さて、そこそこ話題にはなってるみたいですが、先日公開された映画「楽園追放」を見てきたんで、軽くレビューしときやす。ブログで映画のレビューなんてするのいつぶりでしょうね。


楽園追放



水島精二監督、虚淵玄脚本による初オリジナル劇場作品となるフルCGアニメ」という触れ込みに引かれて見に行った訳です。評判も良かったのでね。3DCG映画は、最後に見たのが「アナと雪の女王」だったので、劇場で見たのは半年ぶり位です。



今回のレビューは、ネタバレ無しなんで、主に映像面の話になります。ストーリーのネタバレはしたくねぇし、かといって、キャラの話するとなると、やっぱりネタバレ気味になってしまうので。


大事な話なので、最初に言っときますが、主人公は↓の画像左のアンジェラになりますが、


f:id:pal-9999:20141124224350j:image



3DCGによるセルルックアニメ映画なので、主人公のアンジェラの乳は揺れます。「ぽよんぽよん」というレベルじゃなくて、「ばいんばいーん」という感じで揺れます。ついでに主人公のアンジェラのコスチュームが尻丸出しのハイレグです。おかげで町中歩いてるシーンとか痴女にしか見えません。


金髪ツインテール、ロリ巨乳で尻丸出しとか、あまりに狙いすぎだと思います。だがそれがいい。



ちなみに、話のあらすじは面倒なんで、wikipediaから引用しときますが、





ナノハザードにより廃墟と化した地球。人類の98%は地上と自らの肉体を捨て、データとなって電脳世界「ディーヴァ」で暮らすようになっていた。

西暦2400年現在、その「ディーヴァ」が異変に晒されていた。「フロンティアセッター」と名乗る謎の存在による「ディーヴァ」へのハッキングを地上世界から受け、捜査官アンジェラは生身の身体・マテリアルボディを身にまとい地上世界へと降り立つ。

現地の地上捜査員ディンゴと共に、謎のハッカー「フロンティアセッター」と世界の謎に迫る。

楽園追放 -Expelled from Paradise-




こーなってます。虚淵玄脚本と聞いて、「まどマギ」みたいに少女ぶっ殺して山場作るアニメかと思う人がいるかと思いますが、安心してください。そーゆーアニメじゃありません。普通にSFです。本当に王道系のSFです。ヒロインのアンジェラの尻と乳揺れとツインテール楽しみながら見るSFです。おっさん狙いにもほどがある。


「オッパイ」と「爆発」という虚淵玄の大好きな要素はふんだんに盛り込まれているので安心してください。


ちょっと脇にそれるけど、3DCGアニメの話


これは、ディズニーの3DCGアニメ、「アナと雪の女王」を見たときに思った事だけど、あの作品は、3DCGにありがちな違和感がほとんどなくて、びっくりしてしまった。


D


こっちは、その中の1シーンだけど、従来の3DCGアニメーションの場合、典型的な「不気味の谷」現象が出るのがほとんだった。特に目と唇に顕著で、キャラの顔にクローズアップしてしまうと、ものっそい不気味な絵になる事が多かった。


不気味の谷現象


wikipediaの不気味の谷現象へのリンク貼っとくけど、3DCGアニメの場合、この不気味の谷が一つの壁になっていて、「人間以外を主人公にしたアニメ」は、3DCGでそれなりに成功を収めてきたんだけど、「人間を主人公にしたCGアニメ」というのは、正直、あまり上手く行ってるとは言い難かった。ちとMMDのアナ雪の動画も貼っとくけど、



D


まあ、これはファンが作った奴みたいだけど、すごく不気味に見えると思う。それを逆手に取った動画なんで、それは良いんだが、これ系の不気味さの原因と見られているのが、「不気味の谷現象」。


CGで動かす人間というのは、凄く違和感があって、不気味に見えてしまう部分が多かった。映画はストーリーとキャラが一番大事だと思うんだけど、人間キャラの絵が不気味に見えるせいだと思うが、人間を主人公にした3DCGアニメってのは、全世界で大ヒットってケースは殆ど無かった。


ところが、「アナ雪」は、それを全部変えちゃったんだな。



「人間を主人公にした3DCGアニメで大成功」ってのは、ホントに画期的な出来事で、「凄いねディズニー」としか言いようがない。


「不気味の谷」関連で、ちょっとしたうんちくになるけど、「アナ雪」で一番関心したのが、肌の質感と表情で、ほとんど違和感がない。表情についてはモーションキャプチャーらしいけど、あそこまで出来るのか・・・と感心してしまった。


それと肌の質感についてなんだけど、人間の肌ってのは、不透明じゃなくて半透明になっていて、光を透過する。これについては、ジェームズ・ガーニーの受け売りだけど、最近の蝋人形は、このあたりの仕組みをきちんと塑像してるんで、ほとんど人間にしか見えないのがある。


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こんなのとかだな。基本的に、大理石の彫像にプロの油絵画家が色をつけても、絶対に人間っぽくは見えない。凄く不気味に見える。問題は肌の質感で、素材と塗料を工夫して、人間の肌と同じように肌が光をいくらか透過するようにしないとダメな訳だな。


この手のハイパーリアリズム系の蝋人形は、そういう点まで考えられて作られてるので、肌の質感が人間のそれと見分けがつかない位のレベルになってる。この辺りは、絵もそうなんだけど、例えば、フィギュアをそのまま絵にしても、「死んだような肌の絵」になってしまう。自分で書いた奴で申し訳ないが、



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こんな絵ね。肌の色が「死んで」るんだ。フィギュアの材質は、人間の肌とは全然違うので、色については、別個で考えないと、色が凄い違和感がでる絵になる。あと生の人間は、顔の部分に毛細血管が集中してる部分とそうでない部分があって、カラーゾーンってのがあるんだけど、このフィギュアの場合、その辺りでの塗り分けが行われてないので、そのあたりでも不自然さってのが出てしまう。(横に二つ顔が描いてあるのは、どうやったら顔が生きてるように見えるのかわからなくて、別個で描いて色変えて試した奴)


で、3DCGアニメの分野でも、肌の質感の再現は、当然問題になるんだが、結論から言ってしまうと、多くの場合、「何か違う」という「違和感がある絵」になってる。これが何のせいかは、言葉にしにくいんだけど、とにかく違和感がでるんだ。


D


こっちは、「Star Wars - The Old Republic - Short Movie 」って奴なんだけど、戦闘シーンとかメカとか背景は凄く良くできてるし、そんな違和感ないんだけど、布とか人物の表情には、やっぱり違和感が出る。特に表情は、クローズアップしてしまうと、「なんか違う」って感じになってしまう。理由はよくわからない。



で、アナ雪の話に戻るんだが、「よく出来た人形劇」風味の映画なんだけど、キャラの表情と肌の質感に違和感を感じさせない出来になってるもんだから、凄く驚いてしまった訳だ。DVD買って、何度も見直してるけど、何で、あそこまで不自然さが出ないのか、未だにわからない。


ピクサーの「Mrインクレディブル」を今みると、やっぱり肌の質感が人工的で、「CGだなあ・・・」って感じだったんだけど、10年で進歩したもんだ・・・と感慨深い作品だった。


アナ雪は、全世界でアレだけヒットしただけに、まあ、一つの壁を破った作品として歴史に残ると思う。




でもって楽園追放の話になるんだけど


「アナ雪」の話が長くなっちゃったけど、「楽園追放」の話に戻る。「楽園追放」ってのは、「アナ雪」とは目指す方向性が異なっている。


3DCGは、今の所、3つの方向性があって、一つ目は「アナ雪」みたいなディズニーの「人形劇」路線、二つ目が上に貼ったスターウォーズのような「実写路線」でこっちはゲーム業界が中心といっていい。そして三つ目が楽園追放のような「2Dセルアニメ路線」になる。セルルック3DCGアニメとか言われる分野だ。


D



こいつが楽園追放の予告編だけど、今回、「楽園追放」ってアニメが追求してるのは、3DCGでどこまで2Dアニメの絵を再現できるかって所になる。


で、結論から言っちまうと、かなり違和感なく2Dアニメとして鑑賞できる出来に仕上がってる。


「楽園追放」になるんだけど、セルルック3DCGアニメなせいか、「肌の質感」や「キャラの表情」から来る不気味の谷現象、違和感については、ほとんど問題にならない。


D


こっちは、楽園追放のキャラのアップの絵が沢山ある動画だけど、セルルックだと、3DCGにありがちなアップの時の違和感ってのは、起こりにくいんだな。これはセルルックの強みだと思う。


そういや、youtubeにアンジェラのMMDがあったので貼っとくけど、


D


こっちは美少女フィギュアを動かしてダンスさせてる風味の奴。こっちの絵だと、どうしても顔がクローズアップされた時の肌の質感や、顔の表情の硬さで違和感が出てしまう。ディズニー並に金と時間かければ何とかなるのかもしれないけどね。



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こっちは同じアンジェラのMMDでも、2Dアニメルックな奴なんで、顔にクローズアップされても、フィギュア風の奴ほど違和感がでない。


ここで「クローズアップ」の絵なら、アニメーターが手書きでやればいいだけだろ!という突っ込みは無しでお願いします。


ただ、やっぱり、問題もあって、アンジェラとディンゴが歩いているシーンとか、後ろ髪が揺れてる所とかで、微妙に違和感が出てる絵があった。多分、あれは中割の問題だと思うんだけど、まあその辺りは今後の技術の蓄積が進めばどうにでもなる話だと思う。3DCGについては、とにかく技術の進歩が糞みたいに早いのが特徴で10年もすると信じられないほど進歩したりするから、あと10年後くらいには、凄いモンが作れるようになると思う。


「楽園追放」の場合、どこまで3Dでセルアニメと見分けのつかない絵がつくれるかってのを追求した作品なので、興味がある人は劇場に行くか、ituneストアーでダウンロードして視聴してみて下さいな。


視聴者が2Dアニメ見る感覚と同じ感覚で見られたら制作陣の勝ち。ちなみに話のほうも普通に面白いです。


それでは今日はこのあたりで。

詠み人シーラカンス詠み人シーラカンス 2014/11/25 01:51 変顔のときの表情は手描きっぽかったんですけど、あれもCG?
スタッフロールには手書き担当の人の名前が上がってたし

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