去る 11/15(土) に開催された JJUG CCC 2014 Fall に参加してきましたので、遅くなりましたが感想文。
場所は前回と同じ西新宿ベルサーレでしたが、今回は来場者数 450 名以上とのことで、各セッションで立ち見が続出し、次回から会場を変えないといけないんじゃないかと心配になる盛況っぷりでした。
参加したセッションは以下の通り。
- K-1 基調講演1
- K-2 基調講演2
- H-1 Javaが見るニュータイプの夢 ~これからJavaはどう変わるか~
- R1-2 Spring Boot + Doma + AngularJSで作るERP(統合基幹業務システム)
- R5-3 Spring Bootハンズオン~Spring Bootで作るマイクロサービスアーキテクチャ!
- R2-6 ElasticsearchとKibanaではじめる検索&アナリティクス
- R5-7 JSR 371 MVC 1.0を通じてAdopt a JSRを知ろう!
懇親会、二次会も参加してきました。
K-1 基調講演1
JJUG 副会長の橋本さんによる基調講演。
クラウドや人工知能などの技術により変化していく社会において、Java エンジニアはどのように生きていくべきかというお話で、多くの資産があって堅牢な Java はこれからの時代に強いのでチャンスですよ、と。
本業のためか AI の説明が異常に充実している印象もありましたが、時代の変化と Java を絡めた話の展開、コミュニティを盛り上げる強いメッセージが圧巻の基調講演でした。
K-2 基調講演2
続いて Oracle の Simon Ritter による基調講演。スライドはまだ公開されていないようです。
個人的に印象に残ったのは、Java とは
- プラットフォーム
- コンピュータ言語
- ライブラリセット
- 仮想マシン
- コミュニティ
であるというお話。
コンピュータ言語としては叩かれることの多い Java ですが、JVM の堅牢さと Oracle という超大企業によるサポート、そして JCP や JSR によるオープンな仕様策定プロセスの存在など、盤石な安定感を改めて感じました。
それと、通訳の方の声がイケメン過ぎでした。
H-1 Javaが見るニュータイプの夢 ~これからJavaはどう変わるか~
きしださん。スライドのインパクトすごい。
スライドのゆるふわ感とは裏腹に、内容はとてもハードボイルドな Project Valhalla と Project Panama のお話。
Valhalla と Panama の概要は下記きしださんのブログで把握していたつもりでしたが、より詳しく理解することができました。
なんだか地味だなと思っていた Valhalla と Panama が一気に興味深いものになった素晴らしいセッションでした。
そういえば Project Coin の Collection Literals を早く、と思って調べてみたら ValueTypes を出す前に試すべきじゃないと言うことになっているようですね。
Valhalla が Java 10 だとすると Collection Literals は Java 11 くらいでしょうか・・・
R1-2 Spring Boot + Doma + AngularJSで作るERP(統合基幹業務システム)
福岡から参戦の松崎さん。
Teeda + S2Dao で IE6 対応・・・ウッ、アタマが・・・。その後 Play Framework 1 も検討されたとのことで、共通の話題が多く、懇親会で話し掛ければ良かったです。
Doma は S2 時代の遺産と勝手に思い込んでいたのですが、GitHub で開発が続けられていました。
SQL ごりごり書きたい派にはおすすめとのこと。Doma でググると S2 のページがトップに来てしまうのが勿体ないですね。
Angular は名前を聞く機会が増えてきましたが、どなたもベストプラクティスを模索している印象があります。まだ手を付けられていないので、しばらく成り行きを見守りたいと思います。
R5-3 Spring Bootハンズオン~Spring Bootで作るマイクロサービスアーキテクチャ!
槙さんの上級者向けハンズオン。
縁あってチューターを担当させて頂いたのですが、
どこでミスったのかも確認する暇無いし、チューターに聞く暇もないというサバイバルハンズオンでした
#jjug_ccc #ccc_r53
— ヤンク@EnableKotlin (@yy_yank) November 15, 2014
というわけで、ほとんど出番はありませんでした。ようやく「すみません」と声を掛けられて、出番だ!と振り返ったら @mike_neck さんだったり。
生き残るのに必死で何が起きているか掴み切れなかった方も多いと思いますが、当日はスキップされてしまった演習 2 も面白いので、完走できた方もできなかった方も、ご自宅でもう一度ゆっくり復習されるとよいと思います。
それから、はじめての Spring Boot を買うといいと思います。
はじめてのSpring Boot―「Spring Framework」で簡単Java (I/O BOOKS)
- 作者: 槙俊明
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- 発売日: 2014/11
- メディア: 単行本
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R1-5 JavaでやってみるThe Twelve-Factor App
ビズリーチ渡辺さん。徹底的なタイムマネジメントとリクルーティングがすごい。
Twelve-Factor App は以前に目を通したことがありましたが、現場で実践されている方の具体的なお話は説得力が違いますね。標準出力ログ、OS 環境変数、ビルド/リリース/実行のあたりがとくに勉強になりました。
また、議論が分かれるところだと思いますが、Play Framework に育てられたステートレス派としては Sticky セッションには反対です。パフォーマンスが超重要なサービスでない限り、cookie に乗らないくらい大きな情報は memcached が無難かと。
番外編の .war, web.xml, JSP 禁止には全面的に賛成です!!1
R2-6 ElasticsearchとKibanaではじめる検索&アナリティクス
Elasticsearch 大谷さん。
あっという間に全席埋まって立ち見。
ELK Stack ばりばりのお話かと思いきや、前半は検索に関する基本的な技術のお話も多く、とても楽しかったです。日本における Fluentd の人気を所々でネタにされていました。
また、Elasticsearch クラスタのモニタリングツール Marvel やクエリ実行コンソール Sense も紹介されていました。Kibana を作った Elasticesearch 製だけあってどちらも見た目がかっこいいです。開発目的の場合は無償とのこと。
Kibana 4 のデモも紹介されていました。残念ながら背景が白いですが、そのうち黒くなるはずです、とのこと。Kibana と IntelliJ IDEA はやっぱり黒背景ですね。
R5-7 JSR 371 MVC 1.0を通じてAdopt a JSRを知ろう!
最後はどのセッションを聴くか非常に迷ったのですが、Simon の基調講演絡みで Adopt a JSR へ。
いま使っている MVC フレームワークのアンケートがあったのですが、厳しい現実が浮き彫りになっていました。
JSFとStruts(笑)が優勢 #ccc_r57 pic.twitter.com/dnKQofDGwm
— Yuichiro Umezawa (@garbagetown) 2014, 11月 15
前半は宮川さんがそもそも JSR や JCP とは何かを説明した後、Adopt a JSR を紹介。
後半は槙さんが MVC 1.0 の経緯と JJUG の貢献について紹介されていました。
その後のフリーディスカッションでは JSF と REST の相性の悪さが指摘され、やはり MVC は必要という論調が強かったように思います。
個人的に JSF が肌に合わないので MVC 自体は歓迎ですが、Jersey MVC でいいじゃんという気も・・・
懇親会
Oracle 寺田さんのご好意でボールペン、キーホルダー、ステッカーなどがもらえるじゃんけん大会が開催されました。狙いすましてデュークキーホルダーをゲット。
デュークゲット #jjug_ccc pic.twitter.com/1lAj24eKAy
— Yuichiro Umezawa (@garbagetown) 2014, 11月 15
いつも通り、みなさんあともう一本がんばってください、余ったビールは必ず持ち帰ってください、などのアナウンスが飛び交う中、缶ビールを四本くらい飲んで、三本くらい持ち帰ってきました。これで会費が 1,000 円ってどうなっているんだろう。
二次会
終電のため一時間ほどしかいられませんでしたが、二次会も参加。
@yy_yank pic.twitter.com/1atPiTMSIy
— Yuichiro Umezawa (@garbagetown) 2014, 11月 15
まとめ
いろいろな材料とタイミングが重なり、Java が再び勢いを取り戻していることがありありと感じられるカンファレンスでした。
Java 8 のリリースからまだ間もないにも関わらず、Lambda 式や Stream API は当たり前のものとして受け入れられており、改めてこれらを取り上げるセッションは多くなかったようです。
一方で、多くのセッションが Spring Boot について触れていました。長く積み上げてきた Spring Framework の周辺技術を魔法のようにまとめあげるだけでなく、2014 年 No.1 バズワードに輝きそうな Microservices architecture との相性の良さもあり、先進的な Java エンジニアたちに受け入れられているようでした。
まだしばらく Java の盛り上がりは続くと思われるので、勉強会やカンファレンスなどに積極的に参加して刺激を受けたいと思いました。
最後に、参加者が増え続ける JJUG CCC の運営各位、本業の合間を縫って発表資料を準備された登壇者各位、本当にありがとうございました。次回も参加します。