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<FC岐阜 ラモス元年>(上) チーム編

 サッカーJ2、FC岐阜は、ラモス瑠偉監督を迎えた一年目のシーズンを、13勝10分19敗の勝ち点49で二十二チーム中十七位で終えた。降格争いの常連だった昨季までのチームからは脱却したが、チームが掲げた十位以内の目標には届かなかった。今季、岐阜はどう戦ったのか。

■強力な攻撃陣

 昨年から大きく伸びたのは得点力だ。総得点54点はリーグ七位。FWのナザリト、難波宏明両選手が計29得点を挙げ、強力な攻撃力を誇った。「チームに火をつける男」と監督が信頼する難波選手は自身最高の12得点。ホームの山形戦で見せたボレーシュートなど、勝負強さも発揮した。ここまで三度の戦力外通告を受けた経験も、「逆境に打ち勝った一年」と笑う。

■多い失点

 一方で課題は失点の多さだ。主力にけがが相次いだ守備陣は、総失点61点と、リーグワースト三位。0失点に抑えたのは12試合だけ。試合終盤の失点で何度も勝ち点を取りこぼした。得失点差もマイナス7点で、来季に向け、守備陣の立て直しが急務だ。

 監督が上位進出の条件とした「三連勝」には三度挑んだが達成できず、終盤には泥沼の五連敗で失速。しかし、直後の松本山雅FC戦で選手が奮起、試合内容は今季最高と評価された。

■育成に手応え

 来季に飛躍できるのか。その鍵を握るのは若手の成長だ。監督の目に留まり、下部チームから昇格したFW遠藤純輝、MF比嘉諒人の両選手は、スピードのあるドリブルの突破力がチームの武器に育ちつつある。

 川口能活主将は、京都戦後、最後の二試合について「明るい兆し。重要な二試合となった」と指摘。「チームとは生きもの。簡単に成熟はしない。いろんな選手が集まってスタートしたので、共有するイメージは浅かった。この一年は必要な時間だった」と手応えを感じている。

 「十位以内という最初の約束を守れなくて申し訳ない。でも見捨てないで応援してくれて本当にありがとう」。京都戦後、監督はサポーターへの感謝で今季を締めくくった。

 (福沢和義)

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