【カリフォルニア州ロングビーチ発】当地のロングビーチ・コンベンションセンターで22日(日本時間23日)に柔術大会「メタモリス5」が開催され、“グレイシーハンター”こと桜庭和志(45)が、ヘンゾ・グレイシー(47)と14年ぶりに対戦。20分、時間切れ引き分けに終わった。それでも会場を埋めた1500人の観衆は熱狂。総合格闘技のレジェンド対決に大きな拍手を送った。
両雄は2000年8月の「PRIDE10」(西武ドーム)で激突。桜庭が2R9分43秒、チキンウイングアームロックでヘンゾの右ヒジを脱臼させ、レフェリーストップでTKO勝ち。“グレイシーハンター”としての地位を確立させた。
伝説の一戦から14年ぶりの再戦の舞台は、プロ柔術大会として当地で人気を集めている「メタモリス」のマット。ゲノムファイターのジョシュ・バーネットも参戦の経験がある。試合は20分1本勝負で打撃なし、ギブアップのみでの決着、判定による決着もない過酷なルールだ。観客席からはジョシュ、リョート・マチダらのファイターが熱視線を送った。
桜庭はいつもの通りマスク姿で入場。右側には「METAMORIS」の文字が入った柔術仕様の覆面だ。
1500人の熱心なファンはこのシーンで大歓声を上げる。会場の隅では和太鼓が叩かれ、場内のムードを盛り上げた。
まず桜庭が片足タックルを仕掛ける。ヘンゾがすぐ起き上がると見るや、すぐさま2回目のタックル。これをヘンゾは切ってみせる。立ち上がりは緊迫感に満ちた攻防となった。
対するヘンゾもフロントチョークの体勢からグラウンドに持ち込み、上から攻める。しかし桜庭のガードは堅く、10分過ぎまでこう着状態が続いた。13分過ぎにはヘンゾがサイドポジションから腕を狙いにいくが、これも桜庭がガード。結局あっという間に20分が経過し、14年ぶりの再戦は引き分けに終わった。
不完全燃焼の結末に桜庭は無念の表情。ヘンゾは満面の笑みで両手を上げたが、桜庭は「全然ダメだった。もっと動いていきたかった」と悔しそうに話した。打撃なしのルールでは相手のガードを開くのも難しく、こう着状態が続いたのも仕方がなかった。
それでもマットを下りると、熱心な格闘技ファンが多数押し寄せて桜庭にサインや写真をねだった。結果こそ出なかったが、日本の誇るIQレスラーが、米国でも存在感を発揮した格好だ。桜庭は帰国後、22日に開幕した新日本プロレス「ワールドタッグリーグ」に矢野通とのコンビで参戦。27日の鳥取大会で公式戦初戦を迎える。
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