軽減税率:導入時期を明記すべきか 足並みそろわぬ自公
毎日新聞 2014年11月24日 21時13分(最終更新 11月24日 22時30分)
生活必需品の消費税率を抑える軽減税率制度について、公明党が消費税率10%への引き上げと同時の「2017年4月の導入を実現」を衆院選公約に明記しようとしたところ、自民党から「努力目標にとどめるべきだ」と横やりが入り、調整が難航している。両党は共通公約で消費再増税との同時導入を目指すことで合意したが、党独自の公約で踏み込みたい公明党は「党の公約はわれわれで決める」と反発している。
与党税制協議会(会長・野田毅自民党税調会長)の20日の合意では、軽減税率は「17年度からの導入を目指す」とされた。公明党の主張通り「17年4月1日の導入」と読める半面、「4月以降」への先送りにも含みを持たせた文面。軽減税率を衆院選でアピールしたい公明党が時期の明記にこだわったため、本音では導入を先送りしたい自民党が提示した「ぎりぎりの折衷案」(自民党税調幹部)だった。
野田氏は20日の記者会見で「読んで字のごとし。『目指す』は文字通りだ」と強調。公明党の斉藤鉄夫税調会長は「4月1日からの導入を(公約の)柱にする」と記者団に語っていた。
公明党の公約の内容を伝え聞いた自民党税調幹部は21日、「そこまでは合意していない。信義則違反だ」と激怒。共通公約を破棄する可能性まで口にした。しかし、公明党は「政党単独の公約にまで注文をつけてくるのは筋違いだ」(幹部)と一歩も引かない構え。山口那津男代表は衆院解散後、東京都内の街頭演説で「軽減税率導入を目指すことが第一の柱」と訴えた。12年衆院選と13年参院選で軽減税率導入を掲げてきた公明党には、主張をさらに進めたいという思惑がある。同党は27日に公約を発表する予定だ。【高本耕太】