バイトマン独連銀総裁:ECBの国債購入には法的に高い障壁
11月24日(ブルームバーグ):ユーロ圏での国債購入には法的に障害がある上、域内経済を回復させる特効薬にもならないと、欧州中央銀行(ECB)の政策委員会メンバー、バイトマン・ドイツ連邦銀行総裁が断言した。
バイトマン総裁は24日マドリードで、欧州連合(EU)条約は中銀による国家財政支援を禁じているとして、これが「法的ハードルを正当な理由で高くしている」と言明。量的緩和に関する議論はユーロ圏における「真の問題からわれわれの注意をそらせる」とも話し、国債購入への期待に水を差した。
ECBのドラギ総裁は先週、実施があり得る措置として国債購入を明示的に挙げたほか、インフレ期待をできるだけ迅速に高めるためでき得る限りのことをすると発言。ECBは12月4日に定例政策委員会を開き金融政策を決定する。
独連銀のバイトマン総裁は「ソブリン債購入という特効薬があるという認識があるようだ。いったん処方すれば低成長率を含む全ての問題からユーロ圏を救ってくれると期待されている特効薬だ」と批判した。
同総裁のほかにも、ECBではコンスタンシオ副総裁やオランダ中銀のクノット総裁、オーストリア中銀のノボトニー総裁が論調を強め、国債購入に早急に踏み切ることへの反対をこのところ示唆。条件付き長期リファイナンスオペ(TLTRO)に加え、カバード債や資産担保証券(ABS)の購入など、最近開始した措置の効果をまず見極める必要があるとの姿勢を示している。
原題:Weidmann Sees High Legal Hurdles for ECB Government-Bond Buying(抜粋)
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更新日時: 2014/11/25 03:17 JST