特集 文藝春秋 掲載記事
隠蔽された朝日新聞の「罪と罰」

上杉隆連続インタビュー
だから若者は新聞を読まなくなった

上杉隆(ジャーナリスト・(株)NO BORDER代表取締役)

杉村太蔵(35)元衆議院議員

 国会議員からタレントに転身した希有な存在が杉村太蔵だ。タレント出身の政治家ならば政界には数多く存在する。しかし、政治家だったことも忘れるほど活躍しているタレントは稀だ。バラエティ番組では“軽いキャラ”が売りの杉村だが、果たして新聞は読んでいるのだろうか。

「国会議員時代は一応全紙読んでいましたよ。地元ですから道新(北海道新聞)も読んでいました。いまは、元証券マンということもあるし、株もやってますから日経を購読しています。ただ、同世代の友達はみんな読みませんね」

 彼らの世代にとって、新聞とはどういった存在なのだろう。

「もしも僕が大学の同級生と待ち合わせしたとして、そいつが銀座のソニービル前に朝日の夕刊を持って現れたら、『どうしたの?』『おまえ、なにかあったの?』と聞きますね。ちょっとドキッとする。とりあえず“突っ込んで欲しいポイント”なんだろうなって思う。それが今の感じです。

 新聞を読んであまり感動しないというか。この新聞を毎日買って読まないと人生損するとか、会社に行って恥をかくという空気も正直言ってない。紙の新聞が必要だなと思うのは、飛行機に乗ってる時だけですよね。利便性で行くと圧倒的にヤフーニュースのほうが……いいか悪いかは別ですよ。ただ、便利ですから見ちゃいますもんね」

 これが若者の本音だろう。しかし、杉村のいうネットニュースの大半も、新聞社の配信記事によって成立している。その意味では単に形を変えて新聞を読んでいるだけともいえる。日本最大のニュースサイト「ヤフーニュース」ですら、新聞ソースの記事をなくせば芸能ニュースだらけになってしまう。


この続きは「文藝春秋」2014年11月号でご覧ください。

この記事の掲載号

2014年11月号
2014年11月号
総力取材 世界の「死に方」と「看取り」
2014年10月10日 発売 / 定価880円(税込)
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