自室から国際舞台へと躍り出たハッカーたち─アーバントライブ(4)
2014年11月24日 15:03 発信地:サンフランシスコ/米国
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【11月24日 AFP】これまで、社交性がなく、部屋に一人でこもりきりという印象がつきまとっていた「ハッカー」たち──しかし、彼らは今、そのイメージを覆し、独特の行動規則と気まぐれな目標を掲げ、インターネット時代の「小集団」として国際舞台に躍り出ている。
「アノニマス(Anonymous)」や「ラルズセック(LulzSec)」、「リザード・スクワッド(Lizard Squad)」といったハッカー集団は、近年数々の騒動を引き起こして幾度となくニュースに取り上げられているが、実はこうしたコミュニティーは数十年前に既に存在していたという。
送信データの暗号化サービスを提供するベンチャー企業Wickrの最高経営責任者であり、ハッカーたちのためのイベント「デフコン(DEF CON)」を長年主催してきたニコ・セル(Nico Sell)氏は、「一般的に、ハッカーたちは社会性がなく部屋にこもりきりと思われている。だがこれは事実ではない」と話す。
「ハッキングが上手くなるためには、人々や社会がどう動いているのかを理解する必要がある。彼らは一般に考えられているようなマニアではない」
粋なハッカーネームとハッキングの優れた腕前を持って集結した彼らは、自分たちの技術を善意ある目的のために利用する「ホワイトハット」と呼ばれるグループと、その宿敵であり、いたずらから政治的な変革、スパイ活動や金銭目的の犯罪など、あらゆる活動に携わる「ブラックハット」と呼ばれるグループに大別される。
カナダのマギル大学(McGill University)で科学・技術リテラシーの講座を担当する、ガブリエラ・コールマン(Gabriella Coleman)氏によると、ハッカーたちは自分たちの経験や技術をデフコンのようなイベントや、プライバシーが保護されている「4chan」のようなインターネット掲示板で共有しているという。
近著「Hacker, Hoaxer, Whistleblower, Spy: The Many Faces of Anonymous(ハッカー、いたずら者、告発者、スパイ:多様な顔を持つアノニマス)」の中で同氏は、「ハッカーたちを一つの共同体として捉えることができる理由が多くある」と指摘する。
同氏はAFPの取材に対し、「あるものを創り出し、あるものを破壊する。それが彼らの仕事だ。テクノロジーはあまりに複雑で、真剣に何事かをなそうとするならば他者の手助けに頼ることになる」と説明した。
「ダーク・タンジェント(Dark Tangent)」のハッカーネームで知られるジェフ・モス(Jeff Moss)氏が創設したデフコンは、来年23回目の開催をラスベガス(Las Vegas)で迎える。初回のデフコンは米国を離れるハッカー仲間のためのお別れパーティーとして開催されたものだった。