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あの人も参加していた!? 30周年を迎えたコミティアのクロニクルがスゴい

 同人誌即売会、と言われて真っ先に出てくるのがコミックマーケット、通称“コミケ”。しかし、同人誌即売会はコミケだけではない。オンリーイベントと呼ばれる特定のジャンルに絞られた即売会を含めれば、毎年非常に多く開催されている。

 そんなオンリーイベントの1つが「コミティア」だ。コミティアは東京で年4回開催される創作漫画に限定した同人誌即売会。今年で30年の歴史を誇るコミティアには、プロやプロの卵も数多く参加している。

 11月26日、コミティアの歴史をぎゅっと詰め込んだ『コミティア30thクロニクル』(双葉社)が発売される。全3巻からなるこの本は、現在2巻まで刊行中。最終巻3巻は、2014年11月23日(日)のコミティアで先行発売される。今回は、これまでに発売されている2巻の中から、注目すべき作品や面白い作品をいくつかピックアップしてみようと思う。

■『コミティア30thクロニクル1』
『サンディと迷いの森の仲間たち』
『トライガン』(徳間書店)などで有名な内藤泰弘の作品。入っては戻れぬ島と言われている島で主人公が出会った、角を持つ女の子。女の子は、異人種とし忌み嫌われ都から逃げてきたという。そんな彼女と主人公、そしてその仲間たちとのドタバタコメディ。

『魔女が飛んだり飛ばなかったり』
『good!アフタヌーン』(講談社)にて『鉄風』を連載中の太田モアレの作品。大昔から人間たちを守ってきたという、13人の魔女たち。主人公は、その中の1人“ナツオ様”と囲碁をするのが日課だった。しかし、地球に彗星が落ちてくることを知った魔女たちは――。ひょうひょうとした魔女たちの、切ない物語。

『閉じる。』
イラストレーター兼漫画家の水木由真の作品。ある日の朝、家に冷凍庫が増えた。どうやら奥さんが買った様子。そこでふと、冷蔵庫に入ってみたくなった主人公。愛人を待たせていたが、好奇心を抑えきれず冷凍庫の中へ。しかし待っていたのは暗闇。そして――。

『メイドさんは魔女』
ゲームブランド「TYPE-MOON」代表、武内祟の作品。“古の伝道師”と呼ばれていた彼女は、神々から“絶対服従メイド服”なるもので魔力を封じられてしまった。彼女はメイド服に、「メイドは主人に思慕の情を抱く」など、メイドらしさを強制される。それはあくまでメイド服のせいだと思っていたが――?

■『コミティア30thクロニクル 2』
『帰れない2人』
現在アニメが放送されている『デンキ街の本屋さん』で有名な、水あさとの作品。「嫌いな人から告白されました」という印象的な出だし。そのあと彼の“いじわるな”エピソードが展開される。しかしそれは、告白の後では全てが彼の愛だった。ほっこりするラブコメディ。

『賞金稼ぎの街』
アニメ製作会社トリガーの取締役、今石洋之の作品。1コマ目から女の子のあられもない姿で始まるこの作品。しかしこの女、実はとても強い賞金稼ぎだった。サービスシーンと戦闘シーンの入り乱れる、そして懐かしさに見るものを滾らせる画風に、思わず引き込まれる。

『触れえぬ坩堝』
『ホタルロード』でデビューした、西沢一岐の作品。インドで出会った腕のない少女。少女に笑ってほしいと、主人公は少女を買い、宿へ連れて帰る。しかし停電で蠟燭を貰いに行っている間に、少女は服を脱いでいて――。作者がインドでの放浪体験を元に描いた、リアリティ溢れる物語。

『ストーリーテラーとうさぎの家』
コミティアで活躍中の、ココノツの作品。社会人になり、漫画が描けなくなった主人公。しかし友人からの電話をきっかけに、天袋にしまった過去の作品を思い出す。それを取り出そうとして体勢を崩し……気がついたら、自分が書いた物語の中にいた。小学生の時に描いたうさぎの家族に触れ、主人公は――。

 他にも、コミティアの過去作品から厳選された傑作ばかりが詰め込まれている。ここではとても紹介しきれないので、ぜひこの『コミティア30thクロニクル』を読んでほしい。コミティア参加者にとっては懐かしい、参加したことのない人には新しい、コミティアならではの作品集。普段同人誌を読まない人も、ぜひこの機会に手を伸ばしてみよう!

文=月乃雫

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