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“マチコ先生”の漫画家えびはら武司さん「幸運続きの人生で」

日刊ゲンダイ 11月24日(月)10時26分配信

 80年代前半、漫画とテレビアニメで大人気だったお色気学園コメディー「まいっちんぐマチコ先生」。「いや〜ん、まいっちんぐ!」というマチコ先生の決めゼリフとポーズが子供たちの間に一大ブームを巻き起こした。作者のえびはら武司さん(60歳)、今どうしているのか。

 会ったのはJR荻窪駅北口から5分の「イナズマ カフェ」。今どきのオシャレなカフェだが、店内の壁は浦沢直樹、鈴木伸一、江口寿史など錚々たる漫画家が描いた自筆のキャラクター漫画で埋め尽くされている。もちろん、えびはらさんの「マチコ先生」も店に入ってすぐの目立つスペースでお客さまをお出迎え。

「去年、平松伸二先生に教えていただき、店に来て描きました。描くと飲み食いがタダになるってウワサが広まって漫画家が来るようになったらしく、去年の忘年会もここにお世話になった。ウワサの真偽? ウワサはあくまでウワサでしょう、ハハハ」

 紫色のミニのワンピを着た「マチコ先生」を背に、えびはらさんはこう言って笑った。

 高3の時、4コマ漫画「GOGO! マッカ」でデビュー。高校卒業後、「藤子スタジオ」に入社した。

「ボクの人生、“たまたま”の幸運がいくつかありましてね。弟子にしていただこうと西新宿の藤子スタジオに行ったら、ちょうどお昼時で我孫子(素雄。藤子不二雄(A))先生もスタッフの方も出払っていて、藤本(弘。藤子・F・不二雄)先生がひとり、愛妻弁当を食べていらした。で、藤本先生が仕方なく、近所の喫茶店で面接してくださったんです。ボクはちょっとおとなしい、少女チックな藤本先生の絵柄が大好きだったから、すごくラッキーでした。おまけに入社できましたし」

■カタい社風の会社なのに掲載が決まり

 去年から月刊誌「本当にあった愉快な話」(竹書房)で「まいっちんぐマンガ道」を連載しているが、これは藤子さんが描いていた「まんが道」を意識してとか。

「藤子先生との出会いから修業時代を描いてるうちに人気が出て、『藤子不二雄物語』になっちゃいそうな雰囲気です。いつになったら自分のことにたどりつくやら、ハハハ」

 24歳で漫画家として独立したのも「幸運」があった。

「『マチコ先生のパンティ』って読み切り漫画を学研(学習研究社)に持ち込んだら、編集部にたまたま編集長しかいなくて、すぐに見てもらうことができ、会議を通すことなく掲載が決まりました。あそこはカタい会社でしょ。会議で検討されたりしてたら、どうなってたか分かりません」

「まいっちんぐマチコ先生」は03年から実写版が映画やオリジナルビデオなどで8作制作され、マチコ先生は磯山さやかや森下悠里といったグラビアアイドルが演じた。

「おそらくアニメの実写版の第1号だと思います」

 バツイチ。28歳年下の32歳の妻、小学校4年生と1年生の女の子の4人暮らしだ。

「年の差婚? よくあることじゃないですか、ハハハ」

 そうかなあ。夫人が巨乳か否かはウッカリ聞き忘れた。

「2年前から『つるピカハゲ丸くん』の漫画家、のむらしんぼさんと“えびしんぼトーク”と称したトークライブを開催してて、今年は5月に1回目を阿佐ケ谷ロフトAでやり、80人くらいのキャパに100人以上集まって、新記録だったそうです。2回目はこの24日、同じ会場で開きます。今回はゲストに手塚治虫先生の弟子だった三浦みつる先生に来ていただき、藤子先生や手塚先生の秘話をたっぷりお話しします」

最終更新:11月24日(月)10時26分

日刊ゲンダイ

 

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