衆院選:民主党マニフェストで「厚く豊かな中間層復活」
毎日新聞 2014年11月24日 21時24分
民主党は24日、衆院選公約(マニフェスト)を発表した。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の転換を迫り、中小企業対策や非正規労働者の待遇改善など「厚く、豊かな中間層」の復活を主張。集団的自衛権の行使を容認した政府の7月の閣議決定は立憲主義に反するとして撤回を求めた。
公約のタイトルは「今こそ、流れを変える時。」。アベノミクスの「三本の矢」の対案として、(1)柔軟な金融政策(2)人への投資(3)未来につながる成長戦略−−を提起した。安倍政権の財政政策を資材高騰や入札不調を招いた「バラマキ」だと批判し、成長戦略に対しても、一握りの企業を優遇したと指摘。対決姿勢を鮮明にした。
海江田万里代表は24日の記者会見で「アベノミクスと安倍政治の行き先は、国民生活、日本経済の悪化や平和主義の空洞化だ。この流れを変えるため、安倍政権の問題点と私たちの政策を全力で訴える」と述べた。
党内で意見が割れていた集団的自衛権の行使容認を巡っては、閣議決定の撤回を求めた半面、賛否には踏み込まず、「行使一般を容認する憲法の解釈変更は許さない」との表現にとどめた。憲法改正手続きの要件緩和には反対を打ち出した。
原発政策では、民主党政権時代に示した「2030年代に原発ゼロ」を継承。消費増税は、アベノミクスによる国民生活の悪化や、国会議員の定数削減が実現していないことを理由に、時期を明示せずに「引き上げの延期」を主張した。【佐藤慶】