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「#どうして解散するんですか?」大炎上 若者に容赦ない日本を痛感

衆院を解散した安倍晋三首相に疑問をぶつけるサイト「#どうして解散するんですか?」を立ち上げたのが、小学4年放送部の「中村」くんではなく、実は、高校生団体「僕らの一歩が日本を変える。(ぼくいち)」を2年半前に設立した慶応大学2年生、青木大和さん(20)だったことがわかり、大騒ぎになった。

東京駅2

              青木大和さん(青木さん提供)

インターネット上での情報発信の難しさを痛感する。架空の小学4年生になりすまして今回の解散に疑問を投げかけたことが、一部の政党を利すると受け止められて、「卑劣」「バカにしている」と容赦のない批判を浴びた。ウソはいけない。

ネット空間には政治的なステルス・キャンペーンが横行している。より多くの人に関心を持ってもらいたいという青木さんの思いつきは大きな誤解と混乱を招いてしまった。

青木さんと、サイトの制作を手伝ったスーパー IT高校生として注目を集めてきた慶應大学SFC環境情報学部のTehuさんは謝罪に追い込まれた。青木さんは「ぼくいち」は今回の騒動に一切関係ないとして代表理事を辞任する事態に発展した。

「ぼくいち」は政治的に中立な団体。物足りなくなった青木さんは将来、政党に発展させる目的で年内に「ゼロ党」を立ち上げると張り切っていた。

青木さんからインタビューして記事を掲載したことがある筆者はとても残念だ。青木さんは生き馬の目を抜く政治の世界に無邪気に首を突っ込み、バッサリ切り落とされてしまった。

青木さんは「私の個人的な行動により組織の多くのメンバーにもご迷惑をおかけ致しました。今回の自分の行いを反省し、しばらくの間は情報発信を控えようと思います」と頭を下げた。

しかし、必ず復活してほしい。世間知らずで、羽目を外しては頭を打ち成長していくのが若者の特権だ。そうでないと社会が発展しない。

青木さんや選挙権年齢の引き上げに関して筆者は何度かエントリーしているが、反応は予想以上に少ない。「ヤングタウン」「ヤングおー!おー!」を視聴して育った大阪出身の筆者には、若者の記事を書けば読まれるという思い込みがあった。

それが実際には悲しいほど読まれていない。

若者は日本社会のマイノリティー、高校生のときから政治に関心を持って活動している青木さんはその中でも希少な存在だ。今のご時世、高校生では注目を集めるのは難しい。

青木さんは選挙権のある20歳。自分たちの疑問を小学生に語らせれば、きっと多くの関心を集めることができる。青木さんは単純にそう考えたのだろう。

ウソにもいろいろある。他愛もないウソ、罪のないウソ、真っ赤なウソ、自分を守るウソ、自分を大きく見せるためのウソ、方便になるウソ、相手を陥れるウソ、人を傷つけるウソ、許せないウソ。

青木さんのウソは大学生の自分を小学生に見せることで、世間の関心をひこうとした。それが安倍政権の支持者には許すことができないウソに聞こえた。

しかし、各種世論調査を見ても、多くの有権者は今回の解散に首を傾げている。先の衆院選と参院選で十分な多数を与えて、日本経済を復活させることを期待していたのに2年も経たないうちに解散とは。

これほど有権者をバカにした話はない。ところが民主党を筆頭に野党の体たらくで批判票の受け皿がない。

解散はおそらく、たとえ議席を減らしてでも政権にとどまる期間を長くするのが狙いだが、これまでの約2年と同じように安倍首相が従軍慰安婦、靖国、NHKへの介入、朝日たたきを蒸し返すためなら、まったく意味がない。

アベノミクスを成就させ、成長を取り戻すことに安倍首相が専念しなければ、日本は本当に大変なことになる。

成長の原動力は若者である。若者のエネルギーである。

年を取れば老後の年金が気になるように、日本経済は海外からの配当と利子、特許権の使用料収入などに依存するところが大きくなっている。子育て支援や教育費より年金・介護や医療が優先され、民間資金は成長が期待できるアジアに向けられる。

正規雇用が増えず、非正規雇用ばかりが増える。若者たちはどんどん社会の隅っこに追いやられ、日本経済はますます成長力を失っていく。ウソをつくのはいけないことだ。しかし、われわれ大人は若者や子供にもっと大きなウソをついていないか。

「最近の若者は」と顔をしかめながら、積み上げた政府債務は国内総生産(GDP)の240%。将来世代へのツケ回しだ。

青木さんのような若者をのびのび育ててこそ日本の未来につながるのに、こんな調子で出てきた芽を摘み取っていたら、どうなるのだろう。大きな花を開かせる可能性がある才能は海外に飛び出し、日本の未来はしぼんでいく。

誰かを容赦なくたたくことは一種のカタルシスになっても問題解決にはならない。日本の将来を背負う若者の失敗に、大人世代はもう少し寛大であってほしいなあと思う。非寛容からは何も生まれない。

(おわり)

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