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 慰安婦報道にかかわった元朝日新聞記者の植村隆氏(56)が非常勤講師を務める北星学園大(札幌市厚別区)に脅迫文が届くなどした問題をめぐり、大学や植村氏を支援する動きが広がり始めている。

 北星学園大の田村信一学長は、警備強化などによる財政負担や教職員が対応で疲弊していることなどの理由を挙げ、植村氏との契約を来年度は更新しないとの意向を示していた。

 大学を支援する「負けるな北星!の会」は10月に発足した。山口二郎・法政大教授や中島岳志・北海道大准教授、作家の池澤夏樹さんら千人以上が呼びかけ人や賛同者に名を連ねる。呼びかけ人らが無報酬で出前講座を開くなどの支援活動も大学側に提案している。

 札幌弁護士会(田村智幸会長)は10月、脅迫行為に反対する会長声明を発表。札幌や東京、大阪の弁護士ら380人が、脅迫文の事件について容疑者不詳のまま威力業務妨害容疑で札幌地検に告発した。ネット上に実名がさらされた植村氏の長女の人権を守る弁護士らの活動も始まっている。

 北星学園大の教職員有志は10月末、「大学の自治と学問の自由を考える北星有志の会」を設立。大学院生や卒業生らからも、契約不更新方針の再考を求める声があがった。大学院生の男性は「契約を更新しないと、外部の圧力に屈したと受け取られる」と言う。

 植村氏は「支援の輪の広がりに驚き、私だけの問題でないと言ってくれることに救われ、勇気づけられている」と話す。

 今月18日には大学の理事会が開かれ、契約不更新の方針に疑問の意見が相次いだといい、再度理事会を開いて検討するという。田村学長は、契約不更新について、「今期1年間の契約は守っている。(外部の圧力に大学が屈する)あしき前例にはならないと考える」と説明している。