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「神に対する罪」のバチカンを批判 米尊厳死女性の母親が反論

産経新聞 11月19日(水)20時39分配信

 【ロサンゼルス=中村将】尊厳死が合法化されている米西部オレゴン州で今月1日、末期の脳腫瘍を患っていたブリタニー・メイナードさん=当時(29)=が投薬によって死亡したことに関連し、母親のデビー・ジーグラーさんが娘の死を批判したローマ法王庁(バチカン)に反論したことが分かった。

 バチカン側はメイナードさんの死後、「尊厳というのは人生を終わらせることではない。安楽死は神と創造に対する罪である。非難すべきことである」とするメッセージを発していた。

 これに対し、ジーグラーさんは、尊厳死を支援する米団体のホームページで「29歳の娘に肉体的、精神的に襲いかかる激しい痛みを知らない、大陸を隔てた見知らぬ人に非難されることではない」とし、「この批判は、ほほを平手打ちされる以上のこと」と家族の気持ちを記した。

 メイナードさんは今年1月、脳腫瘍と診断され、4月には余命半年と宣告された。当時暮らしていたカリフォルニア州から、死を選ぶ末期患者への医師による薬剤の処方が認められているオレゴン州に転居。10月に入ると発作が頻発するようになり、「夫の名前も言えない痛み」にたびたび悩まされていた。彼女の死をきっかけに、尊厳死の是非に関する議論が米国内外で活発化している。

最終更新:11月19日(水)21時58分

産経新聞

 

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