県北部で22日夜に発生した最大震度6弱の地震について、政府の地震調査委員会は23日、都内で臨時会合を開き、活断層の「神城(かみしろ)断層」の一部が動いて発生した可能性が高いとする分析結果を発表した。23日に北安曇郡白馬村内を調査した信州大などの研究者は、断層のずれが地表に現れたとみられる隆起を、神城断層に沿った複数の地点で確認。隆起の高さは最大で90センチに及んでいた。
神城断層は、日本列島のほぼ中央部を通る「糸魚川―静岡構造線活断層帯」の北部に位置する。調査委によると、同日午前までの約50回に上る余震の震源は、北安曇郡小谷村や白馬村を中心にほぼ南北方向の長さ約20キロの地下に分布しており、ほぼ神城断層の位置と一致していた。
地震は、西北西と東南東からの圧力で断層の片側がのし上がるように隆起する「逆断層」タイプ。余震の震源分布の分析では断層東側が隆起する逆断層の特徴があった。
23日に白馬村内を調査したのは、信州大の全学教育機構の大塚勉教授(地質学)、教育学部の広内大助教授(自然地理学)、東京大地震研究所の佐藤比呂志教授(構造地質学)ら。約2キロの間に断続的に地表面の隆起が確認された。
また、国土地理院(茨城県つくば市)は同日、白馬村北城にあるGPS(衛星利用測位システム)の電子基準点(観測点)が、南東方向に約29センチ、下方向に約12センチずれたと発表した。同院測地観測センター地殻監視課は「気象庁が発表した今回の断層の動きと調和する」と説明している。