橋下・松井氏不出馬:「騒ぐだけ」「残念」街の声

毎日新聞 2014年11月24日 01時47分(最終更新 11月24日 09時34分)

【左】橋下徹・大阪市長【右】松井一郎・大阪府知事
【左】橋下徹・大阪市長【右】松井一郎・大阪府知事

 橋下徹・大阪市長(維新の党共同代表)と松井一郎・大阪府知事(維新幹事長)が立候補見送りを表明したことについて、2人が出馬を想定していた選挙区の住民は「市長・知事を辞めるべきでない」「残念」などと、さまざまな感想を漏らした。

 橋下氏が出馬を検討していた大阪3区。大阪市住吉区の飲食店経営の女性(67)は「期待して橋下氏に投票してきたが、派手に打ち上げるばかりで政策に実がない。国政を考えるなんて本末転倒。市民のための市政をしてほしい」と注文をつけた。洋服販売店に勤める同区の男性(54)は「橋下市長になり、役所の応対も丁寧になった。立候補して国会議員の定数削減をしてほしかった。後継者が見つかれば投げ出しにはならないはずで、残念だ」と話した。

 松井氏が想定していた大阪16区に当たる堺市堺区の飲食店員の男性(33)は「2人の出馬がなくなり、今回の衆院選への興味が一気に薄れた」と残念がった。同市北区の主婦(38)は「維新は何がしたいのか分からない。今回も騒ぐだけ騒いだという感じ」と指摘した上で、「本当に大阪都構想を実現したいなら、知事と市長は辞めるべきではない」と語った。【山下貴史、山口朋辰】

 ◇公明「脅しに使われた」

 橋下徹、松井一郎両氏の衆院選不出馬表明では、大阪の各党にも波紋が広がった。

 橋下氏が非難していた公明党。大阪市議団の待場康生幹事長は「脅しに使われた。妥協しなくて正解だった」と憤りを隠さず、「どなたが出ようと我々は粛々と戦うだけだ」と言い切った。

 自民府議団の花谷充愉幹事長は「出馬を検討すると言った時点で、知事・市長としては失格だ。都構想の行き詰まりを自ら認めたに等しく、2人がどちらを向いて政治をしているのかよく分かった」と話した。

 橋下氏が出馬を検討していた大阪3区で、反維新勢力の結集を目指して動いていた民主系の松崎孔市議は「ここまで消極的な戦略に出るとは考えていなかった。選挙に向け、気抜けしないよう気を引き締める」と語った。

 市長・知事の職を辞し、国政進出の可能性を見せたことで、議会での追及も強まりそうだ。共産市議団の山中智子幹事長は「有権者をもてあそぶのもいいかげんにすべきだ。代表質問などを通して、自覚を問いただしていく」と意気込んだ。

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