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MLBコラム
岩隈久志、和田毅らが参加したMLB選抜。スターが勢ぞろいとはいかなかったが、メジャーの底力を見せて欲しい。
photograph by Kyodo News
MLB東奔西走

日米野球、真剣勝負の度合いは?
MLB選抜の陣容に見る、現実と理想。

菊地慶剛 = 文

text by Yoshitaka Kikuchi

photograph by Kyodo News

ギリギリまで選手が集まらない、人選の難航。

 投手陣に至っては、1人もオールスター戦出場選手を招集することができなかった。

 現場で取材していても、オールスター出場選手の何人かが、事前に日米野球出場を打診されていたのを確認していたし、多くの選手たちが口を揃えて「日本に行きたい」と発言するのを耳にした。だが実際は、それらの選手たちは1人も参加していない。

 さらに複数の日本人メディアから以下のような話も聞いていた。

「久々の日米野球開催で参加希望者が殺到しているらしく、逆に人選に困っているそうですよ」

 しかし蓋を開けてみれば、過去の日米野球と比べても明らかに選手のレベルが劣る陣容になってしまった。

 一体、何が起こったというのだろうか。

 2日間のチーム練習で数人の関係者から聞いた話を総合すると、どうやら実際は、ギリギリまで選手の人数が集まらないくらい、人選を担当するMLB選手会が奔走していたようだ。

 チーム練習の1週間前に関係者に配布されていた出場予定選手リストでさえ、最終的には数人が入れ替わるという状態だったという。最終発表がギリギリの11月7日になったのも、最後まで人選作業に追われていたため、だったというわけだ。

オフシーズンをケアに当てたい投手陣の辞退。

 では、なぜこれほどまでに人選に苦労することになったのか。そこには、やはりそれなりの理由がある。

 投手に関しては明らかに、シーズン終了後の実戦登板を回避したい、という気持ちが強いからだろう。

 ダルビッシュ有投手や田中将大投手もそうであったように、ここ数年投手の故障続出が問題視されている。

 それだけ、シーズン中の投手にかかる負担は大きいものだと言える。

 だからこそオフシーズンは、身体のケアとコンディショニングに専念したいと考える投手が増えてきても当然だ。しかも、オールスター戦に出場したような投手ならば尚更のことである。

 今回のMLB選抜投手陣には、クリス・カプアノ投手とフランクリン・モラレス投手の2人がFA選手として参加している。

 年齢や今シーズンの成績を考慮すると、彼らは確実に来シーズンの契約が保証されている立場ではない。つまり日米野球を利用し、そこでの投球を披露することで来シーズンの契約に繋げたいという“就職活動”的な思惑が見え隠れする。

【次ページ】 MLB選手に大きい、人工芝球場への抵抗感。

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