衆院選:橋下市長と松井知事は出馬せず
毎日新聞 2014年11月23日 20時02分(最終更新 11月23日 21時21分)
橋下徹・大阪市長(維新の党共同代表)と松井一郎・大阪府知事(維新幹事長)は23日、検討していた衆院選への立候補を見送る意向を表明した。大阪市内であった松井氏の後援会会合で明らかにした。看板政策の大阪都構想を巡って関係が決裂した公明党に対抗するため、公明前職が出馬する選挙区での立候補を想定していたが、両氏とも任期を約1年残しており、市民らからの「投げだし」との批判による都構想に対する悪影響のほか、維新の地方議員らからの強い反発に配慮したとみられる。
橋下氏は公明党大阪府本部代表の佐藤茂樹氏が出馬予定の大阪3区(大阪市住吉区、西成区など)から、松井氏は公明党副代表の北側一雄氏の同16区(堺市堺区など)から、それぞれ立候補を想定していた。
維新は2012年の前回衆院選で、公明から都構想への協力を得る代わりに、公明候補のいる大阪・兵庫の計6選挙区で維新候補を立てない選挙協力をしたが、今年1月、都構想の区割り案の絞り込みを巡って公明と決裂、橋下氏は公明の対応を「裏切り」などと非難していた。橋下氏は今月15日の大阪市内の街頭演説では「都構想実現のため、公明党の議席を奪うしかない」と発言。松井氏も「やる時は2人でやる」と、橋下氏と共同歩調をとることを明言していた。
橋下氏は08年1月に自民、公明の支援を受け当時全国最年少で大阪府知事に当選。10年1月に大阪府市を再編する大阪都構想を打ち出し、11年10月、知事を辞職、翌月、松井氏とともに知事・市長選のダブル選で勝利した。今年2月には、都構想の事態打開を狙って辞職、3月の出直し市長選で再選した。【熊谷豪、松井聡】