水俣病:「不知火患者会」4会場で一斉検診
毎日新聞 2014年11月23日 20時19分
水俣病最大の被害者団体「水俣病不知火患者会」などでつくる実行委員会は23日、熊本県水俣市と同県天草市、鹿児島県出水市の計4会場で一斉検診を始めた。
水俣病の潜在的な被害者を掘り起こすのが狙いで、24日までの2日間、両県を中心に計約460人に受診してもらい、手足のしびれや視野狭さく、運動機能障害などの症状の有無を調べる。
受診者はいずれも、10月中旬にあった問診会に参加し、水銀に汚染された可能性が高い魚介類を過去にどのくらい食べたかなどの聞き取り調査を受けている。この日は、全国から集まった医師約120人が各会場に分かれて診察した。
水俣病被害者救済特別措置法に基づく未認定患者救済策の対象から外れた患者会の会員らは、国などを相手に損害賠償訴訟を起こしている。今回の検診で水俣病の症状があると診断された人たちは原告団に加わる予定。【笠井光俊】