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カターレ J3降格なぜ 番記者に聞く 安定感求めた編成裏目

シュートを放つFW苔口卓也選手=いずれも県総合運動公園陸上競技場で

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失点で精神的弱さ露呈

 来季のJ3降格が決まったカターレ富山。だが、安間貴義監督体制四年目の今季は戦力も整い、前評判は高かった。なぜ降格したのか−。富山がJ2に参入した二〇〇九年から、番記者として試合を見続け、サッカー専門紙などで記事を執筆するスポーツライター赤壁逸朗さん(43)に聞いた。(伊勢村優樹)

 −第十節でやっと初勝利。出だしでつまずいた。

 今年は上位の結果を求めるため、より安定感がある戦いを目指し、過去三年間3バック中心だったシステムを4バックに変更した。しかし、監督のイメージが選手に伝わっていなかったり、慣れる期間が短かったり。結局、新システムでは結果が出ず、十七節から3バックに戻した。キャンプで一番時間を割いてきたことだっただけに監督は認めないが、新システムが結果的に失敗だったと言われても仕方ない。

 −その後もアウェー十四連敗など波に乗ることができなかった。

 今季の課題と言えるが、1点失うと気持ちが切れてパスやクリアミスから連続失点することが多く見られた。実際、自分たちの弱さを課題として挙げる選手もいて、プロとしてだめだが失点するとしゅんとなっていた。勝てる試合を引き分け、引き分けられる試合を落とし、逆転勝利は一試合もなかった。

 −最下位争いをしたカマタマーレ讃岐との差は何か。

 J2に昇格したばかりの讃岐に比べたら選手は上。だが、讃岐は絶対J3に落ちないよう勝ち点を稼ぐために失点しないことを徹底した。富山に比べてチームの形がしっかり形成されていたということだ。

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 −資金面の影響は。

 昨年のデータでは富山は人件費がリーグ二十二チーム中、十四番目。今年は昨年黒字だったことから去年よりも強化費はかけ、選手を獲得した。だから今年はお金がないから選手を呼べなかった、という言い訳はできない。

 −来季はJ3。GM職を新たに設けたが。

 GMを置き、変わろうという姿勢があるのは間違いない。でもGMを連れてきたから良し、ではない。GMは監督級の高給取りをもう一人雇ってくることになるわけで、それだけの仕事をしてもらわないといけない。

岡山に0−3で負け

最終成績5勝8分け29敗

 サッカーJ2のカターレ富山は二十三日、富山市の県総合運動公園陸上競技場で今季最終節のファジアーノ岡山戦に臨み、0−3で敗れた。最終成績は五勝八分け二十九敗。

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 富山は前半、11分に相手コーナーキックからゴール前で押し込まれて失点。直後にMF白崎凌兵選手がペナルティーエリア外からシュートを放ったが、ゴールバーにはじかれた。後半は4分と40分と立て続けに失点を許し、突き放された。

 安間貴義監督は「お互い攻撃に出ようという中で、先制点を奪われ、このような結果になった」と試合を振り返った上で「(降格の)責任は僕にある。この街、ここの人たちに甘えず、退かなければいけない」と語った。

 (豊田直也)

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 赤壁逸朗(あかかべいつろう) 射水市在住。元新聞記者。東京大運動会スポーツマネジメントスクール修了。サッカー専門新聞「ELGOLAZO」ほか、Jリーグ公認のファンサイト「J‘sGOAL(ジェイズ・ゴール)」向けに、記事を執筆している。

 

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