橋下氏「VS公明」全面戦争撤退!松井氏とともに衆院選出馬見送り
維新の党共同代表の橋下徹大阪市長(45)と同党幹事長の松井一郎大阪府知事(50)が23日、大阪市内で開かれた松井氏の後援会会合で、衆院選出馬を見送ると表明した。両氏は大阪都構想をめぐって対立関係にある公明党が前職を擁立する大阪3区、大阪16区での出馬を検討していた。維新は両選挙区に加え、同様に候補を擁立する方針だった大阪5区、6区、兵庫2区、8区についても対抗馬を立てない方針を固め、公明党との「全面戦争」を回避した。
非公開による会合の冒頭、松井氏は「悩みに悩みましたが、来年の統一選挙を目指したい。僕も橋下市長も今回は国政に挑戦することはいたしません」と衆院選不出馬を明言。同席した橋下氏も「知事は悩んでいたが僕は悩んでいない。今回は衆院選に出馬せず、(来春の)統一地方選を戦おうという結論になった」と説明し、出馬をめぐる騒動に自ら幕を引いた。
橋下氏はこれまで大阪都構想をめぐり、対立関係となった公明党への報復をたびたび口にしていた。今月12日に大阪市役所内で行われた会見では「公明党にやられたまま人生終われない。やられたらやり返します」と同党への敵がい心をあらわに。15日には大阪市住吉区でのタウンミーティングで「場合によっては、この地域で特別なお世話にならなきゃいけない立場になる」と大阪3区からの出馬をにおわせていた。
関係者によると、橋下氏らには当初、出馬するという「圧力」を強めることで、かつて蜜月関係にあった公明党側から何らかの「譲歩案」が示されるのではないかとの思惑があった。しかし、公明党大阪府本部関係者は「一貫して戦う気だった」と証言。また任期途中で辞職すれば「投げ出し」との批判が拡大しかねないことも懸念材料だった。
さらに維新は大阪3区、16区に加え、同様に候補を擁立する方針だった大阪5区、6区、兵庫2区、8区についても対抗馬を立てない方針を固めた。関係者が明らかにしたもので、公明との「全面戦争」はリスクが大きすぎる、と判断したもようだ。
ただ、「今回の衆院選は出馬しませんが、大阪都構想は実現させるとお誓い申し上げる」と、都構想実現には依然強い意欲を見せた橋下氏。松井氏も「地道に大阪で主張していく」と強調した。
公明党府本部関係者は「泥仕合にならなくて良かった」と橋下氏らの判断を評価。不出馬が今後の関係修復に望みをつないだ側面もある。ただ、維新の大阪市議は「橋下氏が勝手に騒いで、勝手に矛を収め、公明党とはさらに禍根を残した。百害あって一利なしだ」と批判した。