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11月21日解散! 財務省は困惑                 photo Getty Images

「問われる、費用700億円 解散理由に賛否」
朝日新聞にでてくる見出しだ。

本サイトにも、「『#どうして解散するんですか?』Twitter上で政府・メディア関係者ほか100万人に届けられた疑問の声」(追記あり)がある。もっとも、それには追記にあるとおり、子供の名を語った大人のやらせであることがわかっている。まったく卑劣な話だ。

ネットの上では、デマはあっという間に広がる。公共電波も同じだ。選挙ではそうしたデマで有権者の判断が歪めたら本当に怖い。そこで、冒頭にあげた記事を検証してみたい。

なぜ「消費増税ストップ法案」が提出できなかったのか?

経済ジャーナリストの荻原博子さんは「解散は必要ない」と言い切る。消費増税法には、景気が想定以上に悪くなれば増税の先送りやとりやめができる「景気条項」があるからだ。「法律に基づいて増税を先送りすれば良いのに」

荻原氏はもともと消費増税に反対なので、悪意はないと思うが、単に法律を知らないだけだろう。景気条項とは、消費増税附則18条である。そこには、

「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」

と書かれている。この講ずるというのは、政府としては新たな法案を国会に提出することだ。それが実効性を持つためには、国会で成立しなければいけない。この条項は増税阻止のきっかけになっても、その決定打にはならない。このあたりは、マスコミにも誤解する人がきわめて多い。

荻原氏を含め多くの人は、政府のトップの首相が決断すれば法律が成立すると思い込んでいるが違う。郵政解散の時でも、小泉首相が出した郵政民営化法案は国会で否決された。今回も、消費増税ストップ法案は、国会で否決されるどころか、国会提出も出来なかったのは、誰でも知っている事実だ。というのは、財務省が増税すれば予算措置のアメを与えると国会議員の大半を籠絡していたからだ。

そこで、安倍総理は、衆議院議員を全員クビにして、つまり解散して、総選挙で財務省ではなく国民から意見を聞いてこいといったわけだ。

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