今日は株の「売り時」について僕自身が励行しているやり方を述べます。

僕が株を売るタイミングは、次の三つです:

1.トレンドラインを割り込んだとき
2.悪い決算を出したとき
3.買い値から8%やられたとき


短期でトレードするときは、チャートを見ながら飛び乗るわけですが、そのタイミングは下の図で言えば赤の矢印のところです。

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このルールを守って、ブレイクアウトした瞬間に飛び乗ったのなら、普通、買ってすぐに利が乗り始めます。

若しあなたが株を買ってすぐに利が乗り始めないのなら、何かやっていることが間違っています。

僕自身も、買った翌日、あるいは翌々日くらいで、未だそのポジションが赤字の場合、猛反省します。

そのまま株価がずるずる下がり、買い値から8%やられたら、一旦、降ります。大体、こうなってしまう確率は、10回買うと4回くらいあります。

ここで大事なのは、自分に(10回買うと、4回くらいはやられるぞ!)と言い聞かせることです。なぜなら(負けるのは……自然な事だ)という気持ちの余裕があれば、8%やられたとき、何の未練もなく、クールに損切り出来るからです。

これは喩えて言うなら、「スケコマシの心構え」とでも言いますか……

つまりプレイボーイは、どんどん綺麗な女の子にアプローチするわけです。その場合、声を掛けた女の子を百発百中でお持ち帰り出来ると考えるのは甘いですよね?



プレイボーイは声を掛けた女の子に無視されたら、プライドを傷つけられたりせず、「あ、そう」という感じで次へ行くわけです。

で、世の中、楽しい思いをしているのは、結局、女たらしのプレイボーイなのです!

株もこれと同じで、あなたの「ナンパのテク」が向上しない限り、良い思いは出来ません。

そして首尾よく買ったポジションに利が乗り始めた場合、株価がトレンドラインを割り込まない限り、売りません。

たったこれだけの事を励行しているだけなのです。

つまり基本はチャートなのです。

でもチャートに加えて、もうひとつ大事なことがあります。それは四半期決算です。

僕の場合、四半期決算が悪かった株は、売ります。

そこで何を持って決算が「良い」とか「悪い」という風に判断するのか? という基準ですが、次の三つをクリアした決算だけが「良い」決算です:

1.EPS(一株当たり利益)が予想を上回ること
2.売上高が予想を上回ること
3.会社側ガイダンス(=次の決算に関する、会社の目標)が予想を上回ること


このうちのひとつでも×なら、それは良い決算ではありません。

上場して間もない企業の場合、上の三項目のどれかに「とりこぼし」があると、こっぴどく株価が売られます。その場合は、どんなに酷くやられていても、損切りしてください。

Market Hackで決算記事を書く場合は、かならず上に書いた三項目がクリア出来たかどうかが一目瞭然になるように心がけています。

(Market Hackが他のブログや日経新聞などのメディアと根本的に異なるのは、この部分でのディシプリンです。決算記事が如何に簡潔に、必要なことだけ、過不足なく書けているか?……地味だけど、こういう努力を欠かさないわけです、プロは)

上に書いた三つの項目をすべてクリアしているにもかかわらず、何らかのイチャモンが付いて決算発表後に株価が下がる場合というのがあります。最近ではフェイスブック(ティッカーシンボル:FB)などがこの例です。

そういう場合、しばらく時間が経つと、嫌気した理由(=フェイスブックの場合、今後の費用ガイダンスが予想外に大きかったことが嫌気されました)はいつの間にか投資家の記憶から消えていて、EPSや売上高などの記録に残る面で落胆があったかどうか? ということだけが後々まで尾を引きます。

僕の考える「良い会社」とは、毎回の決算発表で、「これでもか、これでもか!」と良い決算を発表する会社です。逆に言えば、そういう会社の株価は、滅多にトレンドラインを割りません。なぜなら(そういう貞淑な娘とだけデートしたい)という投資家は、アメリカにゴマンと居るからです。

彼らが、そういう良い株は離さないし、そういう投資家が、鈴なりになって求婚するから、そういうシンデレラ銘柄はいつまで経っても買い場を提供して呉れないし、割高なまま買われ続けるのです。