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サイバー犯罪温床「中華プロキシ」一掃へ 当局本腰も課題多く…
サイバー犯罪やサイバー攻撃の温床となってきたプロキシサーバーの一掃に、警視庁などの合同捜査本部が乗り出した。利用者の大半が中国在住であるプロキシサーバーは「中華プロキシ」と呼ばれ、運営業者らは犯罪に悪用されると認識していたとみられる。捜査幹部は「サイバー犯罪の一大発信源を断つ」と意気込むが、クリアすべき課題も少なくない。
■最重要インフラ
19日午後3時半ごろ、東京都台東区のマンション1階に入るサーバー運営業者「大光」から、警視庁の捜査員らがサーバーを積み出し始めた。捜索に入ってすでに約5時間。100台以上がさらに1時間半かけてトラックに積まれていった。「まだ半分くらい」。捜査員の一人はため息をつく。このサーバー群が、サイバー犯罪をまき散らしてきたとみられている。
「また、中華プロキシか…」。サイバー犯罪に関連するIPアドレス(ネット上の住所)の履歴を照会する警視庁サイバー犯罪対策課。10年近く前からサイバー犯罪の発信元が、サーバーを中継する特定の業者に行き着く例が増えていた。
日本国内の銀行のサイトなどは、不審な海外のIPアドレスからの接続を制限するなどの措置を取っている。それを無にするのが、履歴を残さずにIPアドレスを国内発信のものと偽装するプロキシサーバーだ。