GRAPEVINEが昨日11月22日、東京・EX THEATER ROPPONGIにてSPEEDSTAR RECORDS移籍後初の全国ツアー「club circuit 2014」の最終公演を行った。
各々のスタンバイが完了したことを見計らって田中和将(Vo, G)が「よっしゃー!」と気合いを入れると、亀井亨(Dr)の肉声によるカウントから「ふれていたい」でライブがスタート。陽気なラブソングで飾られたオープニングにより、場内にはたちまち温かな空気が広がる。前半、彼らは「想うということ」「Good bye my world」「discord」と2000年代前半に発表した懐かしのナンバーを惜しみなく演奏。11月19日に発売されたばかりのシングル収録曲「KOL」「吹曝しのシェヴィ」も織り交ぜながら、盤石のアンサンブルで観客の体を揺らした。
MCで田中は「まさかギロッポンでライブするなんて10年前は思いもしなかった」とこぼしつつ「ベスト盤聴いて予習してきたという方は例によってガッカリして帰ってもらうことになるんですけど。知ってる、知らないで評価しませんよね? そんな子供じゃないですよね?」と客席へ笑いかけたり、移籍報告をしつつ「媚売るところでは売ろうと思います(笑)。売らないところではしっかり売らないでおこうと思います」と宣言したりと、リラックスした様子を見せる。西川弘剛(G)の機材トラブルによりライブが一時中断したときには、2015年のアルバムリリースとツアー開催を告知してファンを喜ばせた。
中盤の「YOROI」「豚の皿」では、ゲストとしてパーカッショニストのホアチョが参加。「YOROI」では田中や高野勲(Key, G)もパーカッションを演奏し、さまざまなビートが交錯する濃密なセッションが展開された。ホアチョを見送った彼らは、女性の情念を歌う「ANATA」の直後にカントリー調の「片側一車線の夢」をさわやかに響かせるなど、多彩なサウンドで観客を魅了する。「CORE」ではステージ前方へ歩み出た金戸覚(B)をはじめ、各々が熱のこもったプレイでオーディエンスの高揚感を誘った。そして本編は「風の歌」でゆったりと締めくくられた。
アンコール1曲目は、亀井の叩くリズムに合わせてハンドクラップが自然発生した「鳩」。バンドはホアチョを入れた6人体制でテンションの高い同曲を熱演した。センチメンタルな「指先」を終え、田中が「今日はどーもありがとーギロッポン! じゃホンマにラストー!」と告げた「南行き」では、The Beatles「Day Tripper」やCREAM「Sunshine of Your Love」のワンフレーズを盛り込む遊び心も見せた。ダブルアンコール曲「放浪フリーク」まで計24曲を届けた5人は、客席からの大きな拍手を浴びながら約1カ月間に及んだツアーの幕を下ろした。
なおGRAPEVINEは2015年2月に東京、大阪、愛知を巡る対バンツアーを実施。各公演のゲストは追ってアナウンスされる。