米民間宇宙船:試験飛行中に爆発、2人死傷

毎日新聞 2014年11月01日 05時08分(最終更新 11月01日 12時44分)

 国際宇宙ステーション(ISS)への物資輸送の民間ロケットの爆発事故に続いて起きた、米ヴァージンギャラクティック社の「スペースシップ2」の墜落事故。相次ぐ民間企業による宇宙開発の事故の背景には、安全性確保の難しさが浮かぶ。民間人の宇宙旅行実現が遠のくのは必至だ。

 米国では、国として取り組む宇宙開発は惑星探査などに絞り、ISSへの物資輸送や一般人向け有人宇宙船開発は民間企業が中心。FAAは2012年、民間による宇宙旅行のマーケット予測を公表。今後10年間に計約3600人が宇宙旅行を楽しみ、1日1回宇宙船が飛ぶと試算していた。

 有人宇宙船開発には複数の民間企業が参入し、コストの低減が進んでいる。米人気歌手のレディー・ガガさんも来年スペースシップ2に搭乗し、宇宙からのライブを計画していた。

 スペースシップ2は母機で高度15キロまで運ばれた後、搭載したロケットエンジンに点火し、宇宙へ向かう。このロケットエンジンは燃料の固体ゴムとその燃焼を推進する液体を組み合わせたタイプとみられる。宇宙利用に詳しい沢岡昭・大同大学長は「コストが足りず試験が十分でなかった可能性がある。民間の宇宙開発の難しさを示している」と話した。【河内敏康】

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