日銀決定会合:追加緩和 異例の僅差…賛成5、反対4
毎日新聞 2014年10月31日 21時19分(最終更新 11月01日 08時12分)
ただし、追加緩和で金利が一段と低下すれば、円安に拍車がかかる可能性が大きい。米連邦準備制度理事会(FRB)が29日に量的緩和の終了を決定。今後、米金利が上昇すれば、金利が低い円を売って、ドルを買う動きが強まるからだ。黒田総裁は「経済実態と合った形での円安は日本経済にマイナスとは思わない」と述べたが、行き過ぎた円安は、輸入する商品や部材の価格を押し上げ、個人消費を一段と冷やす懸念がある。現行の緩和策でも景気が弱含んでいるのに、追加緩和がどこまで経済、物価のカンフル剤になるかも見通しにくい。
「異次元緩和は効果を発揮している」と繰り返してきた日銀が突然、追加緩和にかじを切ることには日銀内でも疑問視する声がある。追加緩和には正副総裁と研究者出身の委員5人が賛成したが、金融機関や民間企業出身の4人が反対する異例の僅差となった。【柳原美砂子、赤間清広】