衆院選:日暮れ時の商店主「政治家は商店街で声を聞けば」

毎日新聞 2014年11月22日 00時43分

 衆院解散で21日、世の中が師走の総選挙へ向けて走り出した。安倍晋三首相によると、解散の大義名分は「アベノミクス継続の是非」。それでもなお、有権者の多くは「意味が分からない」と疑問視。原発再稼働や福祉など国政上の重要な争点や課題が隠されるのでは、との懸念も広がっている。

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 日本一長い商店街・天神橋筋商店街(大阪市)。日が暮れて店じまい準備をしていた和菓子店経営、林喜久さん(49)は「世間では生活に困っている人もいるのに税金を使って選挙とは。市民感覚とずれている」と首をかしげる。材料費は上がり、石油の高騰で包装紙の値段も上昇しているという。しかし「お客さんのことを考えると値上げできる景気状況ではない」と漏らす。「政治家は商店街を歩いて街の声を聞いてほしい。選挙するよりも国民の声が分かるのに」と話した。

 夫婦で八百屋に来ていた大阪市北区の無職、石田太郎さん(72)は「毎日、この商店街で買い物をするが、ここ数年で店をたたむところが増えた」と景気回復を感じないという。年金暮らしで少しでも安い店を探している。「年金は減らされるばかり。議員数削減を公約に掲げ、身を切る改革を実践してくれる候補者が出てほしい」と注文をつけた。【寺岡俊、芝村侑美、五十嵐朋子】

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