福島第1原発2号機:特殊コンクリでトレンチ汚染水対策

毎日新聞 2014年11月21日 20時52分(最終更新 11月22日 01時23分)

福島第1原発海側の汚染水対策
福島第1原発海側の汚染水対策

 東京電力福島第1原発2号機の海側のトレンチ(配管などが通る地下トンネル)にたまっている汚染水の抜き取りが難航している問題で、東電は21日、汚染水がたまった状態のまま特殊なコンクリートを流し込んでトレンチを埋めることを原子力規制委員会の検討会に報告した。規制委もこの方法を了承した。

 トレンチには建屋から流入した汚染水が約5000トンたまっている。当初は建屋とトレンチの接合部で汚染水を凍らせて流れを止め、水を抜き取る計画だった。しかし、接合部を完全に塞ぐことができなかったため、東電は汚染水の完全除去を断念した。

 東電によると、11月末からトレンチの水を抜きながら、水中でも使える特殊なコンクリートを流し込む。最も深いトンネル部分を埋めて、汚染水の流入が止まるかを確認する。

 この工法は、コンクリートに汚染水が混ざる懸念がある。東電は「コンクリートに残るのは1〜3%程度」と試算。規制委側は「少なくとも汚染水を減らす効果は見込める」として、この工法を了承した。一方、トンネル部分は約60メートルあり、東電は「これだけ長距離を埋めた経験はない。慎重に進める」と説明した。

 3号機の海側トレンチにも約6000トンの汚染水がたまっており、東電は来年1月までに同じようにコンクリートを流し込んで埋める。その後、1〜4号機を囲んで地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」を造る計画だ。【斎藤有香】

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