衆院選:川内原発地元「自民勝てば…国民は再稼働賛成か」

毎日新聞 2014年11月21日 21時36分(最終更新 11月21日 21時55分)

 衆院解散で21日、世の中が師走の総選挙へ向けて走り出した。安倍晋三首相によると、解散の大義名分は「アベノミクス継続の是非」。それでもなお、有権者の多くは「意味が分からない」「保身のためか」と疑問視。原発再稼働や福祉など国政上の重要な争点や課題が隠されるのでは、との懸念も広がっている。

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 九州電力川内原発の地元・鹿児島県薩摩川内市に隣接し、人口の半数を超す再稼働反対署名が集まった同県いちき串木野市。季節労働従事者の上野孝二さん(61)は、原発から直線距離で約5キロの同市羽島地区に住む。「安倍首相や自民党は原発を争点とせず、なし崩しで再稼働を進めていくのではないか」と疑念を口にする。

 薩摩川内市の主婦、田中ひろみさん(41)も「仮に再稼働の是非が争点にならなくても、自民が勝てば『国民は再稼働に賛成した』と判断するのだろう」と不安を感じている。

 東京電力福島第1原発事故後にUPZ(緊急防護措置区域)が設けられ、避難計画が必要な自治体は5キロ圏から30キロ圏に広がった。北海道電力の泊原発(北海道泊村)から30キロ圏内の蘭越(らんこし)町の米農家、高橋登さん(45)は「電気料金が再値上げされ、負担ばかり増える。再稼働ありきの現政権の方針は理解できない」と憤る。【杣谷健太、遠藤修平】

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