デュエル・モンスターズ 本当の願い (Yearn)
<< 前の話 次の話 >>

どうもYearnです。

ではでは、面白くもない前書きは無視してどうぞ

※みんな大好き?グォレンダァの方が酷い目にあいます、ご注意を



帝王のハイネスカード

翔とのデュエルをした午後、光は購買の方に向かっていた。

光「あの~、デュエル許可願ありますか?」

購買部のお姉さん「あら、光君 誰とするの?」

光「ちょっと最強に喧嘩を売りに行くってところですかね? あとパックと唐揚げ1ついただけます?」

購買部のお姉さん「はい、お会計650円です、どうぞ」

おばちゃん呼ばわりしてから、この人の視線が少しばかり苦手になった光、女性の有無を言わせないあの独特な重圧に負けて、顔を合わせたらつい何か買ってしまうのだ。

ちなみにデュエル許可願とは階級、学年が違う生徒同士でデュエルする際に教師に提出するための書類であり、野良試合とは違って直接成績に関わるものなので、格上を倒したい場合、この書類を提出すれば成績に影響するのだ、勝つにしても、負けるにしてもだが。

光「え~と、デュエル許可願、所属オシリス・レッド1年氏名小鳥遊 光 対戦希望相手氏名、丸藤 亮」

ボールペンで何かを記入する時はつい声に出して書いてしまいませんか?

光(取り敢えず、提出が済んだら、デッキを創るか...しばらく正当なビートばっかだから...アレ使ってみるか、イロモノだけど一応、ビートだし)

書きながら、そんなことを考えていると、運悪く、クロノス教諭に見つかってしまい、許可願を取り上げられる。

クロノス教諭「フ~ム デュエル許可願、相手は....? ゴルゴンゾーラチィーズ!?」

光(何で名詞?)

何でもこの人のナノーネとかは当初声優さんのアドリブで特徴付与の上、面白いって理由から監督さんがGOサインしたそうだ。

光「返してくださいよ~ まだ全部書いてないんです~」

クロノス教諭「その必要はありませンーノ 何故なら、デュエルアカデミア実力ナンバーワンの丸藤 亮にドロップアウトボーイーがデュエルを申し込むナドート百万年、早いからでスーノ!!」

大仰なアクションからせっかく書いた許可願をシュレッダーバリの細切れにしてしまう。

光「そんな、ひどいです~!!」

何も目の前でビリビリに破くなんて確かにね。

DDD

レッド寮、翔達の部屋。

ベットの上で毛布を被り落ち込んでいる翔、耳には兄からの言葉がリピートされ続ける。

(お前にはまだそのカードを使う資格はない、お前がデュエリストと呼ぶに相応しい力量になるまでそのカードを封印する)

耳を塞ごうとしても頭の中に流れ続ける、同時に浮かぶイメージは、制裁タッグデュエルで自分のモンスターのコントロールを奪われ、光に止めを刺し、敗北するイメージ。

翔(ダメだ、やっぱり僕じゃ光のアニキのパートナーなんて無理だよ)

無理と思えばそれまでだが...人間、少しでも出来ると思ってバカみたいに取り組めば、意外に出来るかもしれないのにそれが出来ないのは、自分を信じる強さがあるかの問題、如何せん、それを持つには少々過去の幻影を打ち破る機会が光景が必要だ。

DDD

光「もう!クロノス先生ったら目の前で破くことないじゃん! こうなりゃ直接乗り込むしか手はないか」

林の中で愚痴る光、宥めるように連れ添うのは先日の闇のゲームから見えるようになった開闢。
人の大きさではなく、イラストの大きさそのままなので光の肩に乗っている様子はとてもデュエルモンスターズ界最強の戦士の名前を襲名した者とは思えない精霊というより妖精のようだ。

そして、何故かはわからないが開闢は喋れない、肯定の頷いたり否定の首を横に振るしかしない。

光(クリクリうるさいよりいいけど、傍から観たら完全にぼくイタイ人だよね)

普通の人には見えないカードの精霊、だがしかしこの開闢は不思議なことに実体がある 故に頬を突かれる感覚があり、肩乗り開闢は剣も盾も持ってはおらずお腹に手をやり光にキラキラした上目使いで見上げる。

光「え~と、カオス・ソルジャー? 唐揚げ好きなのはわかったけどぼくより食べてない? その体に幾つ入るの?」

購買の唐揚げ10個入り税込500円、光3対開闢7の割合で食べている。

ペットは飼い主に似ると言うが、精霊も持ち主に似るのだろうか?

とはいえ差し出さないと涙目になっていじけるのでおとなしく与える、両手に持って食べている姿は小動物チックだ。

光(まぁ、リスみたいで可愛いけどさ ん? あれは?)

木の枝の上にコアラ....じゃなかった隼人が何かを並べているようだ。

光「隼人君? 何してるの?」

隼人「おわ!」

いきなり声をかけたせいかビックリして木から落ちそうになる、同時に幾つかカードが散乱した。

光「大丈夫!? 隼人君? コレ、もしかして、デッキ?」

スケープ・ゴートに野生解放、ビック・コアラと何故にセコンド・ゴブリン? 

隼人「ち、違うんだな、これは...カード占いしていたんだな」

何も誤魔化すことないだろうに、デッキの調整って恥ずかしいことだろうか?

光「へぇ~、カード占いねぇ~ じゃぼくが本格的にやってみようか?」

懐から取り出したのはデッキではない22枚のカード、大アルカナをイメージしたシリーズ『魔導』アルカナフォースと違いシリーズとして大アルカナを完成させた元世界最強のカテゴリーの一つだ。

本当に上下関係なく適当にシャッフルし、一つにまとめ、1番上を引く、結果は?

光「逆位置の魔導剣士 シャリオ モデルは7番目の戦車、啓示するのは暴走、失敗、焦り、挫折か」

隼人「え? それってどういう?」

割と近々ありそうな出来事への啓示、だが所詮は占い。

光「なんてね、占いなんて当たるも八卦当たらぬも八卦だよ? まぁ注意するに越したことないね、じゃね」

隼人「何処に行くんだ? 光」

光「オベリスク・ブルーに乗り込んで、直接カイザーとデュエルするの!」

隼人「え、それは まずいんじゃ....」

そんな警告も聞かずにつっぱしる光が喰らったのは永続罠ではなくリアル『門前払い』男子寮の方に踏み入れたらどこかで見ていたのか突き飛ばされる。

光「イタタタ、何すんだよ? 暴力反対!」

青モブ1「身の程を知れ、オシリス・レッドのドロップアウトめ」

青モブ2「お前のような奴がカイザーに近づくことなど許されると思っているのか?」

あんた等が決めることじゃなくて、カイザーが決めることだと思うがね、流石に頭に来た光は食って掛かろうとするが猫でも追い払うように何処からかバケツを持ってきて水を顔に向かってぶちまけた嘲笑うように引っ込んだ奴らに光は唇を噛み締め、悔しがるしかなかった もし、落ちこぼれが優等生に怪我でもさせたらそれだけでも問題になる、それはオシリス・レッド生の元々良くもない評判を更に悪くしてしまう。

光「くそ~! いつかガチデッキでメタメタにしてやるからなぁぁ~!! へっ、クシュン!!」

こんな負け犬主人公で良いんだろうか作者は不安です。

DDD

レッド寮。

隼人「まったく、光 無茶も大概にするんだな」

服を乾かしに寮に一時撤退してきた。

光「アイツらめぇ~ 今度デュエルする時には見てろよ~」

隼人(全く聞いてないんだな~)

隼人と翔の部屋に着く、が誰もいない。

光「・・・隼人君、翔君が何処行ったか知ってる?」

隼人「いや、聞いてないんだな」

机の上を確認すると、置手紙が一通。

『一筆啓上 翔は島を出ます、止めてくれるなアニキ、さよならだけが人生だ』

光(翔君、こんなに追い詰められてたなんて、ぼくは...なんてことを....!)

自分とのデュエルで古傷を抉る結果になってしまった、十代の代わりとしての軽率な行動がこんなことになるなんてと後悔する、いや...今ならまだ後悔にはならないはず。

光「隼人君、ぼく 晩御飯要らないって先生に言っておいてくれる?」

出来るだけ意図がばれないよう、努めて声音は変えないようにする。

隼人「翔を探しに行くんだろう? おれも行くよ」

部屋から駆け出す瞬間一瞬止まって振り向かずに頷く光、翔を想う気持ちは隼人も同じだった、それを知らずに巻き込ませたくないとエゴで考えていた自分が酷く愚かしく思える。

光「隼人君、ゴメン、ありがとう!」

DDD

捜索は夕方まで続いていた、アカデミアから外部に出るのなら物資を運ぶ定期フェリーが有力だがあれは週に一回の運航だ、今日はその日ではないため外部へ出るとするなら捜索範囲はアカデミアの外周、沿岸に限られる。

光「翔君? 翔く~ん? 何処~!?」

隼人「翔ぉぉ~! 出てくるんだな~! 晩御飯終わっちゃうんだな~!」

捜索は長引き疲弊している、今のところアカデミア生の行動範囲である、表の海岸沿いを中心にしているがまだ見つからない。

光「う~ん 何処行ったんだ」

結構激しく動いている割には開闢は肩でのんきにお昼寝中、早速NEET精霊になりつつある。

光「(小声)カオス・ソルジャー 寝てないで手伝ってよ っていっても無理か」

よくよく考えれば肩乗りサイズの開闢じゃ迷子になっても捜す立場にはなりえないだろう 優しく頭を撫でながら諦める。
少し撫で方が強かったのか、大きく欠伸をして起きたようだ。

光「起きたかい? デッキに戻る? って何?」

光の耳たぶを引っ張って、指をある方向に向ける。

光「そっちに行けってこと? もしかして話を聞いてたの?」

2回ほど頷くので、どうやら本当のようだ。

光「(手掛かりもないし、信じてみるか) 隼人君! こっち! こっち!」

隼人「え? ちょっと 光、待って欲しいんだなぁ !」

開闢が指し示すのは灯台の方向、二人は走り出す。

DDD

アカデミア船着き場、灯台。

夕方の今はアカデミアでは絶対数は少ないだろうが、恋人と佇むには似合いのシチュエーションの場だ。

其処にいたのは、周りからはお似合いの二人と噂されるが実際はデュエルに恋するデュエル脳である、カイザーこと丸藤 亮と天上院 明日香、そして ツァン・ディレ。

ツァン「亮、明日香 ゴメン、廃寮にはこれしかなかったわ」

先日、光達が見つけた写真に天上院は何とも言えない顔でしながら受け取る。

天上院「ツァン先輩、ありがとうございます もう、兄さんったら、この時には行方不明になるなんて思ってなかったわよね」

ツァン「礼は小鳥遊達に言って、アイツらが見つけてくれたの 明日香、そっちの方はどうなの?」

天上院「いつもと変わりませんでした兄のことも波に消えたままで...」

亮「焦るな、きっといつか見つかるさ」

ツァン「そういえば、アンタの弟のデュエルを見たわ」

亮「それがどうした?」

眉一つ動かさない、何故、この兄弟の間柄はこんなにもドライなんだろうか

ツァン「感想は言わない、けど それについて小鳥遊 光がアンタとデュエルしたがってる」

亮「小鳥遊 光? あぁ 入試デュエルの」

さして興味無さそうに流す様子になにを思ったのか。

ツァン「アンタ、油断すると負けるわよ? アイツの実力はボクが保証する、挑戦受けてみる?」

???「見つけた!」

灯台から見える浅瀬にイカダを浮かべ、いざ海へ出ようとした翔を見つけた光の声に反応した三人と翔、彼は飛びのり、逃走を図るが、走り幅跳びの要領で光が飛び移った次の瞬間 原型止めず壊れる。

翔「た、助けて! 僕、泳げないんだ!」

光「翔君! 落ち着いて!! 此処、浅いから!!」

パニックを起こしてしがみ付く翔を落ち着かせようと必死になる、海に落ちる瞬間、開闢はちゃっかり岸に避難していた。

光(この、薄情者~!!)

浅いことがわかると翔は落ち着き、再び開闢は光の肩に飛び乗る。

翔「このまま行かせてくれよ、アニキ 僕のことは良いから、せめてアニキだけでも別のパートナーを探して退学を免れてくれよ」

情けなさそうに表情が沈む翔に光が先ずしたのは、慰めの言葉をかけるのでもなく、逃げ出そうとしたことを咎める言葉でもなく。

翔「ア、アニキ?」

光「ゴメンね....ゴメンね」

ただ抱き止めて、涙を流して謝った、翔は何が起きたか訳がわからないようで。

翔「なんでアニキが謝るのさ? 僕はアニキから逃げようとしたんだよ?」

光「君がこんなに悩んでいたなんて、気付いてあげられなくて それなのにぼくは...本当に、ゴメンね 君のアニキ分失格だよ...」

光の胸にあったのは自分が原因で友達が逃げたくなるくらい悩んで、あまつさえ、夢を諦めさせてしまうまで追い詰めてしまったことへの罪悪感、十代の代わり、十代の代わりと自分の思考を捨てて、何が正しいか判断しなかったことへの苛立ち。

翔「でも、やっぱり僕には...」

亮「不甲斐ないな、翔」

岸壁の上から見下ろすアカデミアの帝王、威風堂々とした風格と言うより振り向き、涙を拭いた光の眼には酷く冷たい印象しかない。

光「あれが...カイザー亮、か」

翔「お兄さん...」

亮「逃げ出すのか? それも良いだろう」

歯に衣着せない、辛辣な一言に再び表情が沈む翔、イカダの残骸の方に向いて、俯き、体を震わせる。 昼間のオベリスク・ブルー生の態度に加え何より、大切にすべき家族への態度、そして、友達を泣かせた奴に今度ばかりは光はキレた。

光「おい!! いくらなんでもあんまりじゃねぇか!?」

亮「何?」

この世界に光の本当の意味での家族はいない、大切だった友達もいない 自分で望んで、やり直す為に此処に来たから仕方ないと納得している、だからこそ友達になってくれた、自分の為に夢を諦めようとした友達を泣かせた奴を。

光「ぼくは兄弟がいないからわかんないけどさぁ! アンタの言い方は良くないことくらい落ちこぼれでもわかるよ! 優等生!」

許す訳には、負ける訳には、いかない。

亮「・・・良い目だ、あがって来給え、小鳥遊 光 ツァン、オレは彼の挑戦を受けてみようと思う」

本来の流れとは多少ずれたが。

光「そうこなくちゃね!」

今までにないほどの好戦的な目付きで、立ち向かう。

DDD

その夜 灯台付近。

光&亮「「デュエル!!」」

光(ディレ先輩が負け越す相手だ 容赦しないよ)

先攻、光

手札5→6

手札

ディープ・ダイバー
白銀のスナイパー
エフェクト・ヴェーラー
カードカー・D
バトルフェーダー

ドローカード

冥府の使者 ゴーズ

光「スタンバイ、メイン1 ぼくはカードを1枚伏せて、モンスターをセット、終了」

光手札4枚

フィールド

セット1体

バック

伏せ1枚

勘の良い方はもう、お気付きでしょうが今回はこのコンセプトで行きます。

翔「どうしよう、僕のせいでこんなことに、いくらアニキでもお兄さんには...」

あまりに無責任な発言にツァンは翔をこれでもかと睨む。

ツァン「アンタ、本当のバカね?アイツの眼を見なさい、小鳥遊は今度もアンタの為にやってるのよ、アンタが信じないなんてどうすんの!?」

本気の奴の行動には素直な言葉を言う、ツァン。 誰かを想って、泣いて、怒って、頑張るそれを誰かはバカじゃないかというかもしれないが。それをまた誰かは『人間らしい』といえるのではないだろうか?

亮「オレのターン、ドロー サイバー・ドラゴンを特殊召喚」

登場時から現在まで、さまざまな運用法で使われる機械龍が地面を割って這い出す。

サイバー・ドラゴンATK2100

亮「更に速攻魔法、サイクロンを発動 魔法、罠を1枚破壊」

破壊されたのは...もう、おわかりでしょう。

亮「サイバー・ドラゴンでセットモンスターを攻撃、エヴォリューション・バースト!」

ダメージステップに入り表になる潜水服のモンスター、効果は?

光「戦闘破壊されたディープ・ダイバーの効果でデッキからA・ジェネクス・バードマンを選択し、デッキトップに置く」

光も大概、鬼畜なデッキを使うようだ 必要なのは後は悪魔と星の獣 そして一度でもこのループを成立させれば妨害手段がないに等しい無限ループだ。

亮「メイン2タイムカプセルを発動、デッキから裏表示でカードを選択し、除外、2ターン後のオレのスタンバイフェイズまで除外し、このカード破壊して手札に加える エンド」

を宣言した瞬間、機械龍は雪国の狙撃手に撃ち壊させる。

亮「これは...!?」

光「もう一体のセットモンスター、白銀のスナイパーの効果、このカードは魔法カード扱いで魔法&罠カードゾーンにセット出来、相手によって破壊されたエンドフェイズ、墓地から特殊召喚し、相手のカードを1枚指定して破壊する」

ブラフで在ってブラフに非ずを体現するこのカード、ことにサイバー流はバックの除去が優先されるためその対策に入れていた。

白銀のスナイパーATK1500

亮手札3枚

フィールド

なし

バック

タイムカプセル


光「ぼくのターン、ドロー!」

引いたのは当然、ディープ・ダイバーの効果で置いたカード

他は3積みだが、来ない場合はあのカードに頼るしかない。

光「スタンバイ、メイン1 そのままバトル! 白銀のスナイパーで直接攻撃!」

亮LP4000→2500

隼人「良いぞ! 光!」

翔(凄い、お兄さん相手に先手を取るなんて)

それだけじゃない、正史で十代は負けたが、光は。

光「翔君、よく見てて、ターンエンド」

光手札5枚

フィールド

白銀のスナイパーATK1500

バックなし

今回ばかりは楽しまない、勝利以外の結果を求めない。

亮「オレのターン、ドロー、特殊効果でサイバー・ドラゴンを特殊召喚、更に死者蘇生 墓地からサイバー・ドラゴンを特殊召喚そしてこの二体を...融合 サイバー・ツイン・ドラゴンを融合召喚」

サイバー・ツイン・ドラゴンATK2800

隼人「攻撃力2800!?」

この世界、いやゴヨウ・ガーディアンが現役の頃まで特殊召喚するモンスターの攻撃力は2800ラインを越えるか、何らかの耐性、そのターンで決める効果のあるカード以外は採用の余地なしとまで言われた強さの目安。

亮「それだけじゃない、このカードは一度のバトルフェイズに二回攻撃出来る」

隼人「不味いんだな! 光のモンスターを破壊されてダイレクトアタックで負けちゃうんだな!」

亮「サイバー・ツイン・ドラゴンで攻撃、エヴォリューション・ツイン・バースト!」

一回目の攻撃でスナイパーは破壊される、亮はトドメをさそうと二回目の攻撃を指示する、次の瞬間、異形の悪魔が鐘を鳴らすことで怯んだツインは攻撃を取り止める 。

光LP4000→2700

光「手札のバトルフェーダーの効果、相手の直接攻撃宣言時、手札から特殊召喚出来る、そしてこの召喚が成功した場合バトルフェイズを強制終了させる」

亮「ターン終了」

悉く、相手の行動の妨害、本来は嫌われる戦術を敢えてした 自分の中のヘイトを高める為に、相手を嫌いになるように。

光(これで帝王? 笑わせてくれるね ディレ先輩のほうが遥かに強いよ)

デッキへの想いも努力の証拠を垣間見たからはっきり言える、亮はドロー運だけの火力バカだ。

光「ぼくのターン、ドロー」

ドローカード

増殖するG

光(貴重なドローソースだけど、見たら多分気絶しそう)

想像して見てください、リアルなソリッドヴィジョンで再現される、大量のおぞましい黒い波を。 書いてるだけで虫酸が走ります ヴェルズの精神汚染も真っ青だと断言します。

光「ぼくはカードカー・Dを召喚、効果発動、通常召喚したこのカードを生け贄にしてデッキから2枚ドローし、エンドフェイズにする」

このターン、特殊召喚が出来なくなるが関係ない ビートと言うより決め手が来るまでの妨害がメインなのだ 大量展開はあり得ない。

ドローカード

D.D.クロウ
コアキメイル・デビル

亮「オレのターン、ドロー」

この瞬間タイムカプセルの封印が解かれる。

亮「タイムカプセル発動後2回目のオレのターン、オレは棺に入れたカードを手札に加える、いよいよ大詰めと言うより所か」

光「追い詰められたの間違いじゃないか? 不可視の罠はまだまだあるよ? そして、ぼくが勝ったらアンタには翔君に謝ってもらうよ」

ここまで怒ったが、光にすれば一言で良いから、友達を傷つけたことを謝ってもらえばいい、最後の理性で問いかける。

光「カイザー、翔君との間に何があったかは聞かないよぼくはアニキ分でも所詮は他人だし、でも...デュエルで相手にトラウマ持たせるのは良くないよ」

生前、色んなことで友達に負けて、負けて、負け続けてやっとのことで手にした勝利は尊い、でもそれと同じくらい負けることは尊いことをわかってるつもりだ 教訓と言う意味で。

亮「オレが翔にパワー・ボンドを封印させたのは 使いこなせないということと、相手に対するリスペクトがなかったからだ それが出来るまで封印を解かせるつもりはない」

あ~、あのなんだっけ?相手の全力が出るまでテキトーに相手にして自分はそれを越える高火力でドヤするクソみたいな考え方だっけ?単にお互いに突破しやすい火力でのぶつかり合いや弱いカードでも組み合わせで対処する戦略性を全面否定するモノだよ。

光「リスペクトねぇ~、あのさ なら、アンタの言った弟に対するアレってそういう訳なの? どうなの?」

返答次第では、『ドロー! モンスターカード!!』をお見舞いするけどね。

亮「オレは翔の意志をリスペクトするだけだ オレが強制させる意味はない」

O.K.光、ぶち殺し確定ね。

光「そうですか、続きどうぞ 」

亮「オレはバト、光「に入る前のメイン1終了時手札からエフェクト・ヴェーラーの効果発動! 対象はサイバー・ツイン」 バトルだ!」

エフェクト・ヴェーラーの効果で二回攻撃は不能。

光「メイン1に発動したエフェクト・ヴェーラーの効果は対象モンスターの効果をエンドフェイズまで無効にするよ」

バトルフェーダーは破壊され、除外されたが手札にはクロウがいる完全に詰みだ。

亮「オレは速攻魔法、融合解 光「チェーン、手札のD.D.クロウの効果発動、対象は墓地のサイバー・ドラゴン、そして除外」除」

融合素材がなければ融合モンスターの除去カードである『融合解除』発動したプレイヤーの墓地を対象にするため単に融合召喚のサポートでありメタカードになる、これにより融合モンスターの必殺パターンを崩した。

光「なにか、あります? カイザーをリスペクトして全力でお相手したんですが?」

此処までの全ての妨害を眉一つ動かさず、作業的に反撃の芽を潰した、この場で亮が出来ることは、精々手札のモンスターの通常召喚、フェーダーが破壊されたのでサイバー・ドラゴンはない 。

亮「ターン、エンド」

亮手札2枚 LP2500

フィールド、バックなし

光「ぼくのターン、ドロー!」

ドローカード

星見獣ガリス

処刑執行の準備が整った。

光「カイザー、隣には気心知る家族がいるのは幸せなことなんだ、 苦しくてへこたれそうな時に、寄り添い合うのが家族へのリスペクトじゃないか、それに、 アンタに憧れて、翔君は此処に居るんだろ!? 弟のヒーローのアンタが突き放すんじゃねぇよ!!」

丸藤兄弟両方に問いかける、まったく理論的ではない感情論。

恐らく翔が泣いてしまったのは尊敬する家族に見放されてしまったと感じたからだ、誰だって誰かに嫌われたら悲しい、それが家族だったり好きな人なら特に。

光「だから!ぼくは友達に謝ってもらう為に、このデュエルは絶対に勝つ! 手札からコアキメイル・デビルを召喚! そして、手札の星見獣ガリスの効果発動!」

星見獣ガリス 地 LV3 獣族 ATK800 DEF800

手札にあるこのカードを相手に見せて発動する。自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、そのカードがモンスターだった場合、そのモンスターのレベル×200ポイントダメージを相手ライフに与えこのカードを特殊召喚する。そのカードがモンスター以外だった場合、このカードを破壊する。

光「ガリスの効果発動!ドロー! モンスターカード、神獣王 バルバロス! LV8 よって墓地に送って1600のダメージを与え、手札から特殊召喚! 手札のA・ジェネクス・バードマンの効果でガリスを手札に戻して特殊召喚!」

隼人「あれ? 何とかバードマンってカード、出ないぞ?」

ツァン「・・・これで勝負は決まったわ、小鳥遊の勝ちでね」

ツァンは既に帰り支度をしている、以前のバードマンループの恐ろしさを見たためだろう。

翔「そんな! お兄さんはまだ負けてないよ!」

天上院「どう言うこと何ですか? 亮が負けるって?」

初めて光とアカデミアでお昼を共にしたときのことを言う、ツァンを除いた全員は顔を真っ青にした。

同時に決まったが最後、必殺のコンボ、無限ループを目の当たりにし、落ちこぼれがアカデミア最強を打破する瞬間でもあった。

ツァン「あの構成なら、多分あのデッキは...」

亮LP2500→900

光「ドロー、モンスターカード、速攻のかかし!LV1 200ダメージ! バードマン効果、ガリス効果、ドロー、モンスターカード! バトルフェーダー、LV1 200ダメージ! バードマン効果、ガリス効果 ドロー、モンスターカード! モンタージュ・ドラゴン! トドメだ!! LV8 1600ダメージ!」

亮LP900→-1100。

小鳥遊 光VS丸藤 亮

Winner 小鳥遊 光

やってはいけなかった、禁忌 バーンでの勝利 激昂した王様のようなオーバーキルは最後の理性で何とか止めた。

光(何とか痛みに耐えたぞ ザマミロ 修正力)

サイバー・ツインの効果を妨害した辺りから頭を刃物で滅多刺しされるようなそれを脂汗をかき、耐えきれたのは、ひとえに意地の問題だろう、想いが肉体を瞬間的に凌駕するが。

光「あれ?」

視界が暗転、怒っていた時に出たアドレナリンが痛みを緩和させていたのが分解され、平常に戻ろうとしたとき、身体へのショックが大き過ぎたらしい 重力に従い、地面に倒れていく。

それを受け止めたのは...?

ツァン「本当に面倒かけるわね、でも、友達思いのアンタの啖呵、ちょっとカッコよかったよ・・・あれ?熱い 、風邪?」

倒れかかった光の額に手を当てるツァン、秋とはいえ水をぶっかけられ、海に落ちて身体を濡らしたままろくに暖まらず夜風を浴びたために少し早い風邪を引いたようだ、頭が熱くなったのは 貴女の言葉のせいもありますね。

光「すみません、ちょっと疲れちゃいました 少し肩を貸してください....あれ?翔君は?」

ギリギリ保った意識で片目で見える範囲には姿が見えない。

丸藤兄弟の方はと言うと。

翔「お、お兄さん」

怯えた眼に映るのは何かスッキリした兄の顔。

亮「すまなかったな翔、確かにオレはお前の想いヘのリスペクトが足りなかった、光に伝えておいてくれ 友人を泣かせて悪かった それと良い友達を持ったな翔?」

翔「お、お兄さん....うん!」

デュエル前は年不相応だった冷めた間柄、それが今は、年相応な普通の兄弟の仲直りのようで、そんな会話を聞けて安心する光。

結果は 正史とは違うが、この兄弟のわだかまりも少しは改善したのではないだろうか、お互いの存在へのリスペクト、それを忘れなければきっと帰るべき現実も今の現実にも無用な諍いはないはず、そしてその切っ掛けを作るのは世界の望むことではなくても、決して悪ではないと信じる 信じた結果は女の子に支えられると言う、なんとも格好がつかない結末だが。

光(HEROになりきれないぼくには、相応しいのかも...ね)

冴えていない、真っ直ぐじゃない あまりにもHEROらしからぬ、不恰好でお節介でどうしようもなく頭が悪い光。

こんなにも、どうしようもない奴だが

隼人「光 頑張ったな、寮まで歩けるか? おぶるんだな」

天上院「公式戦でなくて残念ね、アカデミア始まって以来の下剋上よ 光?」

今、此処に、確かに。

亮「良いデュエルだった、今後とも弟をよろしく頼む」

翔「ア、アニキ 逃げ出そうとしてゴメンよ、僕ダメだけど頑張ってみるよ! きっとパワー・ボンドの封印解いてみせるよ」

光の存在を認めてくれる人達が居る。

密かに涙し、明るく笑うが。

くぅ~

腹の虫が鳴く、本当に締まらない、奴。

光「・・・食堂は封印されてしまったね ゴメンよ二人共」

現在時刻、午後8時45分、今日の夕飯は...なしだね。


以上第9話、本編第8話 光、本気のデッキは変態デッキの巻でした。

まぁお察しの通り、今回は名付けるとしたら、フルモンタージュガリスですかね。

ビートと言うよりメタビ、決まればブレイクスルーやレインボーライフ以外では止めようのない作者も使ったネタ構成なガチデッキです 問題はバードマンが制限なので初手ワンターンキルが出来なくなり、今回のようにダイバーやドロソモンスターがいないと回りませんとはいえ半端な火力だと7000近いモンタージュが出るので油断は出来ません。

最近はアーティファクトっておもちゃも出ましたので相手にするとなかなか厄介ですよ?

ではそろそろなくなったほうが良いよね小説補完。

Q精霊出したけど、喋れないってどうよ?

A 開闢はイラストでの独断と偏見ですが口数が少ないイメージです。
そして気難しい印象、であるならいっそのこと無口を通し、仕草が
イメージとかけはなれている奴にしてみました。
ぶっちゃけ、作者の文章力の問題ですが。

Qなぜ等身大での出演にしなかった?

A 日常回でもろ銃刀法に引っ掛かるようなお方なので、どうするかと
迷っていた時あるアニメを見てピンと来ました。
『重要な場面、デュエル以外はこれで良いんじゃね?』と
よって普段はチビでデュエル関係ではデカくなるという設定に
してみました。

Qオベリスク・ブルー生徒のクソガキ具合はアンチヘイト?

A ほぼ、アニメでの彼等の行動そのままを文章におこしました。
普通なら殴っても良いだろうと思いますがなぐっと我慢する十代は
頭が回るうえに大人ですね、光はそのまま三下のセリフですね。




<< 前の話 次の話 >> 目次 ページの一番上に飛ぶ