米下院がオバマ政権提訴　医療保険改革巡る職権乱用で

　米共和党のベイナー下院議長は２１日、米下院として、オバマ政権を職権乱用で連邦地裁に提訴したと発表した。オバマ政権が昨年導入した医療保険制度改革（通称・オバマケア）をめぐり、大統領が議会の承認を得ずに法令で定める範囲外の運用を行った、としている。政権と、今月の中間選挙で勝利した共和党側との対立が深まっている。

　ベイナー氏は声明で、医療保険改革法の規定で企業に義務づけられる健康保険の提供について、オバマ氏が議会の承認を得ずに導入を延期したことなどが法令逸脱に当たり、憲法違反だとした。

　オバマ氏は２０日、大統領令で、国内に約１１００万人いるとされる不法移民のうち約５００万人を救済する移民制度改革を発表。移民制度改革の法案審議を下院で中断したままの共和党との対決色を強めていた。