地震:コップ、皿飛び散る 不安な一夜…長野震度6弱

毎日新聞 2014年11月22日 23時36分(最終更新 11月23日 01時47分)

地震で倒壊したコンクリート製の石塀=長野市桜枝町で2014年11月23日午前0時1分、川辺和将撮影
地震で倒壊したコンクリート製の石塀=長野市桜枝町で2014年11月23日午前0時1分、川辺和将撮影

 長野県北部を中心に22日夜、最大震度6弱の大きな横揺れが襲った。けが人が多数出たとの通報や、土砂崩れで国道が通行止めになったなどの情報が相次ぎ、警察や消防などは状況把握に追われた。停電になった地域もあり、間もなく厳冬期を迎える被災地は不安な一夜を明かした。夜間に発生したため、被害の全容が判明するのは23日以降の見通しだ。

 ◇小川村

 「小さな横揺れがあり、しばらくしたら突き上げるような『ドーン』という大きな揺れがあった。こんな地震は経験したことない」。震度6弱を観測した長野県小川村高府の男性会社員(58)は自宅で妻と2人でテレビを見ていて、揺れに襲われた。家具などは倒れず家族にけがはなかったが「台所は食器棚からコップや皿が飛び出して散乱している。近所には高齢者も多いので、様子を見に行かなければ」と話した。

 また、同所で自宅居間にいた女性(45)は「大きな揺れが20秒以上続いて食器棚や神棚から物が落ちてきた。中越地震の時に比べても揺れが大きく感じた。怖くて、こたつの中にすぐに潜り込みました」と振り返った。

 小川村瀬戸川の無職の女性(81)は「タンスや棚が倒れ、家の中は足の踏み場もない。家が傾いたようで。開かない戸や窓がある」と話し、「近所の人に頼んで車でこれから保健所に避難する。ずっとこの村に暮らしているが、こんな地震は初めて。家にまた戻ってきて暮らせるのか」と不安そうだった。

 ◇小谷村

 震度6弱の同県小谷(おたり)村北小谷で旅館を営む石橋勲さん(70)は地震発生の瞬間、「ドドーンという体に響くような大きな音を聞いた」と話す。その後も余震が続き、「大きな音が断続的にあり、窓が揺れていた」という。宿泊客は木造部分からコンクリート造りの部屋に避難させた。

 ◇白馬村

 震度5強だった白馬村神城沢渡の実家に帰省中だった東大阪市の主婦、森田好子さん(51)によると、地震発生とともに停電で真っ暗となり、大きな横揺れの中、食器が割れる音が響いた。「子供とこたつに入っていたが、座っていられないくらい揺れた」と話し、停電が復旧してから見ると家具が50センチくらいずれていたという。

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