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 「政治とカネ」の問題で閣僚を辞任した2人も、師走の選挙に向け動き出した。

 後援会の不明朗な資金処理問題で、10月に経済産業相を辞任した小渕優子氏(40)=群馬5区。後援会事務所や元秘書宅が10月末、政治資金規正法違反容疑で東京地検特捜部の家宅捜索を受けた。

 辞任後、小渕氏は1カ月ほど公の場に姿を見せていなかったが、この日は黒のスーツ姿で衆院本会議場に現れた。報道陣に囲まれ、「お許しをいただけるのであれば、群馬5区から立候補させていただきたい」と立候補の意向を明らかにした。

 午後には辞任後初めて地元入りし、群馬県渋川市で後援会幹部約30人を集めて説明会を開いた。出席者によると、小渕氏は涙を流しながら「申し訳ございません」と何度も頭を下げたという。その後、前橋市で記者会見。「現時点で全ての疑惑を払拭(ふっしょく)できる状況にはなく、申し訳ない」「公示から投票日まで地元に張りついて皆様方におわびしたい」と話した。

 選挙区内で「うちわ」を配って公職選挙法違反の疑いを指摘され、小渕氏と同じ日に法務相を辞任した松島みどり氏(58)=東京14区。この日はトレードマークの赤いジャケットを着て議場に現れた。解散後の議場では、周囲の議員から「絶対に帰ってこい」と声をかけられたという。

 辞任後、1カ月間を「謹慎期間」としていた。今月20日から選挙区内を車で回り、数百メートルごとに降りて「おわび」を繰り返している。報道陣に「(うちわ問題は)違法という認識はないが、厳しい選挙になる」と話した。

 夜には地元の荒川区議が開いた集会に出席。集まった約20人を前に、「申し訳ありませんでした。一から出直す気持ちでやります。もう一度仕事をさせてください」と深々と頭を下げた。