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 「ドン」という激しく突き上げるような揺れが、週末の夜を襲った。22日夜、最大震度6弱を記録した長野県北部を震源とする地震。突然の強い揺れは縦に横に数十秒続いたといい、住民らは「感じたことがない揺れだ」と振り返った。

 震度5強を記録した長野県白馬村。

 「ドンという突き上げるような縦揺れが10秒間続き、その後30秒間ほど横揺れが続いた」

 同村神城(かみしろ)地区にあるホテル「白馬五竜」の桜田健二社長は地震の発生時を振り返り、こう語った。

 地震が起きた時は、ホテル地下のボイラー室にいた。揺れが収まると、すぐに1階のロビーに駆け上がった。テーブルの上に置いていたティーカップが床に落ちていた。

 桜田さんは1995年の阪神大震災の時に大阪府箕面市におり、被災した経験がある。「阪神の時は縦揺れが激しかったが、今回の地震は感じたことのないような横揺れだった。恐ろしかった」と語った。

 観光への影響も心配だ。「今後はスキーシーズンが本格化する。御嶽山の噴火や今回の地震の影響で、観光客の客足が遠のかなければいいが……」

 神城地区の温泉施設「十郎の湯」主任の竹内久喜さん(51)も「強い横揺れが長く続いた」と語った。「調理室の棚が倒れ、グラスがぐしゃぐしゃになった」

 温泉施設を午後10時に閉め、片付けをしている最中に地震が起きた。物ががたがたと揺れ、施設内に設置していた両替機が床を滑っていった。「経験したことのない揺れで、驚いた」

 白馬村によると、国道406号で土砂崩れがあり、一部が通行止めになったほか、水道管が破裂したという。

 最大震度の6弱を観測した長野県小川村。当時、役場には宿直の職員が2人いた。職員によると、いきなり強い揺れに襲われ、縦揺れと横揺れが20~30秒間続いた。机の上にあった書類が床に落ちたといい、「机につかまらないと立っていられないほどだった」と振り返った。

 同じく震度6弱を記録した小谷村役場の職員によると、役場内で書類が落ちたり、物が倒れたりした。