イタリア・ベネチア(Venice)で、強い風雨と高潮が重なって海水面が上昇する現象「アクアアルタ(Acqua alta)」で水に漬かった観光名所の「サン・マルコ広場(Saint Mark's Square)」をスーツケースを持って歩く観光客(2012年10月15日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】静寂が街の隅々まで行き渡っていることで知られるイタリアのベネチア(Venice)が、さらに静かになろうとしている。キャスター付きスーツケースが禁止されるかもしれないのだ。

 年間2700万人に上る観光客がベネチアの石畳の路地や橋の上で昼夜を分かたず引きずるスーツケースのゴロゴロという音に、住民たちの我慢は限界に達していた。

 住民のいらだちを受けて市当局は、ゴムか空気入りの無音キャスターでない場合、来年から最高500ユーロ(約7万3000円)の罰金を科す規則の草案を作る方針を決めた。

 運送業者が市内の事業所や住民に荷物を配送する際に使う台車も規制対象に含まれる。地元当局は、かばんメーカーがベネチアに適した新製品を出すことに期待をかけている。

 イタリアのメディアは、車両の乗り入れが禁止されているベネチアの住民は新規則の対象から外されるだろうと伝えている。当局は、クッション付きキャスターは、ベネチアの古い石畳や橋を保護するためにも必要だと述べている。
【翻訳編集】AFPBB News