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photo credit: leef_smith

Intel Mapで平壌付近を限りなくズームすると、たまに白ポータルを見かけることがあります。さすがにずっと白ポータルなのか、と思いきや過去に何度もキャプチャされていたのです。しかもエージェント名「KimJongUn」という人まで…。

この記事では、なぜそんなことが起こるのか、一体誰が平壌をキャプチャしているのかをちょっとだけまじめに明らかにします。

平壌ポータル

平壌にもIngressのポータルはあります。ほとんど白ポータルの状態になっていますが…。




こんなエージェントIDも…

ときおり誰かにキャプチャされたりしますが、2014年の夏にはこんなエージェント名の方がレゾネーターを設置していました。



北朝鮮市民はインターネットを使えるの?

この地では携帯電話の使用やネットが禁止されているというイメージがある方も多いと思います。しかし意外にも北朝鮮で携帯電話が使われ始めたのは2002年で(最初は偉い人のみ許可制)、その後一般市民にも普及したり規制したり、を繰り返していたのですが、やはりその利便性は認めざるを得ないらしく、現在では数百万人が携帯電話を所持しています。が、インターネットへの接続は依然として禁止されています。つまり本当に携帯"電話"なのですね。
※北朝鮮が管理・運営する独自の国内線用ネットワークにはアクセスできます。


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北朝鮮にネットの開放を求めるグーグル会長―ウォール・ストリート・ジャーナル

2013年1月にはGoogle会長のエリック・シュミット氏らが北朝鮮を訪問し、インターネット利用の開放を求めました。前向きな質疑応答がなされたようですが、インターネット開放までは至っていません。
ちなみに北朝鮮は、平壌の大学にてフィルター無しでインターネットにアクセスできると主張し、実際の様子の写真も公開されています。しかしそれがメディアに対してのみ見せられる光景なのか、つまり本当に市民に対して利用が開放されているのかについては不明です。ほぼお察しです。



正体は外国人観光客か


こんな状況にもかかわらず平壌のポータルが青に緑に染められる状況に対し「GPS偽装ではないか」という声もありましたが、おそらくこれは外国人観光客が現地でIngressをした結果でしょう。
というのも、北朝鮮は2013年3月から外国人観光客のインターネット利用を開放するようになったからです。

ただし、利用できるのは北朝鮮国外から来た人だけだ。容易に想像できるとおり、北朝鮮国民は、国際電話をかけることも、インターネットにアクセスすることも、依然として禁じられている。

こうした動きは、観光業を中心に収入を得ようとする北朝鮮の思惑の現れのようだ。1月にグーグルのエリック・シュミット会長が訪朝した結果ではない。
WIRED

ちなみにこれまでは空港で端末を預けなければなりませんでした。

――これまで、訪朝した外国人が所有する携帯端末は、すべて空港で預けなければなりませんでした。
東洋経済オンライン

それが開放されたことにより、外国人観光客が現地でIngressをプレイした結果といえるでしょう。だから、色が染まったり白に戻ったりするのですね(ポータルはリチャージせずに放置すると消耗し自然消滅する)。

ただ、エージェントID「KimJongUn」さんは外国人観光客のネット利用が開放される以前にもポータルをキャプチャしていたようなので、なんとも言いがたいです。



おまけ:GPS偽装かと思ったら違った例

かつて、電波が無いはずの砂漠地帯にレジスタンスのCFが形成されたので、Niantic Labsが不正を疑い調査したところ、現地のエージェントたちが数千ドル出して電波塔をレンタルしていたという事案もありました。

(´-`).。oO(Ingressの闇は深いのです)