子どもの図書館で育った子どもが、大人になってまた訪れる
実は、この日は取材ではなく、別の打ち合わせで「高知こどもの図書館」を訪問していたんですよ。「素敵な図書館ですねー!」と感銘を受けひとりで盛り上がっていたら、たまたま打ち合わせに同席したNPO高知市民会議の尾崎さんが、なんとこの施設を子どもの頃に利用したことがあるとか!
「僕、ここでダレンシャン借りましたよ」と尾崎さん。「あんたが借りたダレンシャン、そこにあるわよ」「あー! これです!」と実物を手に盛り上がるお二人の図。
15年の重みを感じるシーンですねぇ。「こどもの頃に通ってくださった娘さんが大きくなって、自分のお子さんを連れてくることもあります」というから素敵です。
ぼくも図書館の仕事にちょっと関わったことがあるんですが、特に公立の図書館って、スタッフのローテーションが激しいんです。こういった継続的なコミュニケーションが発生するのも、民営の図書館ならではといえるでしょう。
隠れた魅力:大人も楽しめるこだわりの(偏った)蔵書も!
「高知こどもの図書館」というだけあって、子ども向けの本が並んでいるのはもちろんなんですが、よくよく見ると、なんかマニアックな大人向けの蔵書も充実しているんですよ・・・。これは高知の人も知らない、隠れた魅力だと思います。
さて、上の写真の奥まった仄暗いゾーンが、問題の書架です。潜入してみましょう。
たとえばこの芸術書たち! ごく一部の本好きな人なら、ヨダレが出るんじゃないでしょうか、というかぼくはヨダレが出ます。「ブニュエル・ロルカ・ダリ」とか、ぼくにとっては「カツカレー・すき焼き・カツオのたたき」みたいな響きなんですよ。
ゴッホに始まり、エゴン・シーレにフリーダ・カーロにエルンスト。すげー偏ってる!
音楽の棚も偏ってます。小泉文雄フィールドワーク! これ大学時代に読んだなぁ。
グレン・グールド本が3冊・・・。そしてその隣は「民族楽器づくり」。あれ、これうちの本棚? と錯覚するレベル。他の本も面白そうだなぁ・・・。
「伝記 世界の作曲家」 で選ばれているスティング、ボブ・マーリー、バーンスタインという並び! 明らかに趣味がにじみ出ている・・・。
ここら辺のセレクションの犯人は、もちろん古川さん。「ここに並んでいる本は、みんな私たちが大好きな本なんです。こういう"偏愛"を出せるのも、NPOでやっている良さかもしれませんね」。いやー、しかしこの棚はマニアックすぎるでしょ・・・。娘と一緒に借りに行きます。ここで本を借りると、スタッフの方々と本の話で盛り上がれそうなのもいいですねぇ。
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