「こどものための図書館をつくりたい」。そんな夢を描いたことがある人は、10人に1人はいるんじゃないでしょうか。ぼくが住む高知県高知市に、まさにその夢を叶え、15年にわたって「民営」の図書館を経営している方々がいました。今回は、「高知こどもの図書館」館長の古川佳代子さんにお話を伺いました。
行政には頼らず、民間で運営
高知城の近くに位置する「高知こどもの図書館」、なんといっても驚くべきは寄付、会費を中心とする自主財源で運営しているという点。図書館を運営するNPOはほかにも存在しますが、ほとんどの場合、行政の指定管理や委託を受けて成り立っています。自主財源で、15年という長期にわたって経営を続けられている「図書館NPO」は全国的にも珍しいのです。この規模というのはほかに例がないのでは。
彼らの歴史は古く、「高知こどもの図書館をつくる会」が立ち上がったのが1995年。「NPO」という言葉がまだ一般的でない時代に、古川さんたちの活動は始まっています。ゆえに、最初は「無理だ」という声も大きかったそうで。
「色々な人にやめなさいと言われたんですよ。『あなたたちの顔を見れば本が好きなのはわかるけど、お金を稼ぐのが下手なのも、顔を見ればわかる』って(笑)」
図書館設立にあたっては、行政の資金サポートを得ることが当初の前提だったものの、不景気が重なり高知県の財政状況が逼迫。高知県から物件の無償貸与をしてもらい、「民営」路線をひた走ることになりました。低予算のなか、うまく行政と連携しながら継続的に運営しているわけですね。
設立以来、市民や企業からの寄付・会費を主な財源として経営をつづけ、直近では1,500万円程度の事業規模となっています。寄付・会費の比率は6割に達しており、NPOの財政としては優良な状態を保っています。
とはいえ、ここに至るまでは艱難辛苦の連続だったそうで。「100万円単位の赤字が続いた年もありました。なんとかさまざまな方のご支援で続けることができています」と古川さん。
先日認定NPO法人化も完了したとのことで、さらに多くの支援を得て、活動の幅を広げていくのでしょう。認定NPOへの寄付は節税にもなりますし、ぼくも会員になろうと思います!
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