クラブ通い
その後に通い詰めたのは一棟まるごとSMルームの「夢楽園」だった。もっとも最初は一部であったかもしれない。一棟にまるごとになってから、東京のアルファ・インさながら廊下やエレベーター、屋上でプレイしたり、相互の部屋を犬の首輪をつけて訪問させたりするようになって、終局的には摘発を受けてしまった。
最初になんどかプレイをお願いした美姫女王様は美人でスタイルもよく、恐いより優しい感じの女王様でお別れする時もドアーまで見送ってきちんと挨拶される礼儀正しい女王様だった事を憶えている。
セイラ様という女王様も非常に美人で優しく、他の恐い女王様はSMとはあんなものでないと批判されていたが、ご奉仕がしたいというと存分にご奉仕なさいと言わんばかりに四つん這いになり、前と後の両方穴に舌を這わせていただいたものだった。
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初めてのM体験
20代後半としか思い出せない。その頃ナンバのレジャービルの地下に「レイ」というSMクラブがあった。今の様にSMクラブが乱立していたわけでなく、おそらく大阪では唯一のSMクラブの発祥だったと思う。そんなもの珍しさから、サングラスをかけた芸人や作家も見かけたように思う。
世界観が変わるかもしれない程ドキドキして扉を開けて入ったラウンジに数人の女性がいて壁には大きな春川ナミオ画伯のM画が描かれていた。その時何を語ったか全く記憶にはないが、飲み物の相手をしてくれた「ボクちゃん」という女王様に「プレイする?」と訊かれ、ラウンジの奥のプレイルームに連れていかれ全裸で待つように指示された。しばらくするとレザーコスチュームに着替えた「ボクちゃん」が颯爽と入って来て、「犬は四つんばい!」と大声で全裸の僕にお命じになり、今までMと自覚もしていなかったのに自発的に四つん這いになり、服従する喜びの衝撃が走った。その四つん這いの犬に始めての女王様が鞭の洗礼を授け、プレイルームに据え付けられ電動滑車で逆さ吊りの刑で自らの体に精液を垂らして果てた事だった。その時入ったMモードが数十年経つ今まで続こうとは知る由もなかった。
「レイ」には何度も通った。なにしろそこしかSMクラブなるものがなかったのだから。ビールだけ飲んでプレイせずに帰った事もあった。ある時サンフランシスコの文通相手の友人が訪ねてきて、酒を飲んでいると興奮してしかたないから早くSMクラブを連れてくれと頼まれ「レイ」に行った。彼はSでボクちゃんと良く似たポッチャリした女王様がMの対応をしてくれた。外人と2人は嫌だからと僕は長身の細身の女王様と一緒の部屋でプレイした。Sの彼の一物が青筋たてていきり立っていたのが印象的だった。