中川竜児
2014年11月22日16時10分
犬のふんをめぐり、世界各国が頭を悩ませている。大阪府泉佐野市では、放置の「現行犯」を見つけたら過料1万円を科して2カ月近くたつが、効果は未知数だ。各国ではふんを飼い主に送りつけたり、科学的捜査が浮上したり。マナーの悪い飼い主との奮闘が世界で繰り広げられている。
冷え込みが強まる朝夕、泉佐野市の街頭にアナウンスが流れる。
「犬や猫など、ペットの飼い主の皆さん、ふんの後始末はお済みですか? ふんを道路や公園に放置することは条例で禁止されています」。発信源は、路上のふんに「イエローカード」を置く「放置フンGメン」の軽トラックだ。
雑種犬を散歩させていた市内の男性(70)はため息をついた。「子どもに言うようなことを、大きな声で言わないかんのは情けない。でも、ほとんどの人は守っても、マナーが悪い人はいる。仕方ないわな」
啓発を担うGメンは、市シルバー人材センターの会員。2人1組で週3回、巡回する。
記者は10月に2回同行した。かつて数メートルごとにふんがあり、「ふん銀座」と言われた住宅地を含む区域で、放置ふんを計10カ所で発見した。活動を始めた約2年前、市内14区域でふんを回収した場所は1カ月で1千カ所を超えたが、現在は200~300だ。
Gメンは「『ご苦労さま』と言ってくれる人もいるけど、目を合わせない人もいる。怪しいのはそんな人」。だが、任務はあくまでふんが対象。仮に目の前でふんを放置する人がいても、注意できない。
巡回は放置が多い場所を選んでおり、市全体からみると限定的だ。市環境衛生課の担当者は放置ふんを「違法駐輪」になぞらえ、「Gメンの活動の前後の時間、活動区域の少し外で、ふんをさせる人がいる。いたちごっこです」と話す。
過料徴収を担うのは府警OBの環境巡視員。2人1組で平日、違反を探す。だが、実際に徴収したのはまだ1件。「放置の現場を押さえる『現行犯』というハードルは高い」という。5千円だった過料を今年10月に1万円に増やしたが、効果はまだわからない。
市は、ふん対策に年約1千万円をあてる。財源として、飼い主に課す犬税を検討したが断念した。
こうした中、12の自治会・町会が、イエローカード設置などに協力を始めた。新家(しんけ)町会(約600世帯)の岸本一郎会長(66)は月1回、町会役員と巡回している。「この地域は団結してやってまっせと見せることで、マナーが悪い飼い主の心がけを変えたい」
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