滋賀大教育学部の元教授=諭旨解雇=に研究論文を盗用されたことが原因で自殺に追い込まれたとして、教育学部の女性教授の遺族が、元教授と大学に計約1億円の損害賠償を求める訴訟を京都地裁に起こしたことが4日、分かった。提訴は4月24日付。
訴状によると、元教授は2009年ごろ、女性教授が出した論文を無断で複製して別の論文を発表。滋賀大の調査に「女性教授の同意があった」と虚偽の説明をした。女性教授は不正への対応に追われ、自律神経失調症を発症し、12年9月に自殺した。
滋賀大は、女性教授の申し立てを受けて11年7月に調査委員会を設置。12年2月に改ざんや盗用があったとする調査結果を発表したが、遺族側は「元教授の不正行為で心理的負荷が発生していると知りながら、適切な対応を取らなかった」と主張している。
滋賀大は「弁護士と対応を協議中」、元教授の代理人弁護士は「詳細は今後検討する」とコメントした。(共同)