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久々の代表復帰となったオーストラリア戦では、本田圭佑のコーナーキックからヘディングで先制点を決めた今野泰幸。ボランチとしての再出発は上々だ。
photograph by AFLO
Jをめぐる冒険

「CBでは世界で通じないと痛感した」
今野泰幸、ボランチで再び世界へ。

飯尾篤史 = 文

text by Atsushi Iio

photograph by AFLO

 今シーズンの覇権を占う大一番が迫ってきた。J1リーグ32節、浦和レッズ×ガンバ大阪。かつて東西の雄として時代を彩った両クラブがタイトルを懸けて戦うのは、8年ぶりのことになる。

 それにしても、G大阪がこの時期に優勝争いをしているなど、半年前に予想できた人が果たしてどれだけいるだろうか。

 W杯の中断期間を迎えた時点での成績は4勝3分7敗の16位。それが今では17勝5分9敗、首位の浦和と勝ち点差5の2位につけている。1年でJ2に逆戻りしてしまうのではないかと危ぶまれていたことがウソのようだ。

 チーム状態が劇的に好転した要因が、J1屈指の破壊力を誇る2トップにあるのは間違いない。4月の終わりにケガから復帰した宇佐美貴史と、7月に加入したパトリック。宇佐美がDFをぶち抜いて豪快なミドルを叩き込めば、パトリックは空中戦や裏への選択肢をもたらし、チームの攻撃の幅を広げている。

遠藤保仁とともに、攻守に光る今野泰幸。

 しかし、期待通りの働きを見せる2トップの存在感もさることながら、ベテランの好パフォーマンスも見逃せないだろう。日本代表に復帰した2ボランチ、遠藤保仁と今野泰幸である。とくに今野はこれまでのキャリアの中でもかなり充実したプレーを見せている。

 人とボールへの迅速なアプローチ、球際での競り合いで発揮される粘り強さ、中盤の性能を高めるポジショニングとバランス感覚……。そうやって中盤を引き締めるだけでなく、つなぎのパスや縦パスにも積極的にトライし、攻撃面での意欲も高い。遠藤がアシストという形で直接的にゴールに絡めば、今野は「アシストの前のパス」という形で間接的に絡んでいるのだ。

「W杯前は全然ダメでした。サッカー人生で最悪に近いくらいの状態で……」

 今季の前半戦は、G大阪と同様に今野も苦しんでいた。代表ではセンターバックだが、G大阪ではボランチとして起用されることに悩んでいたのか、とにかく自信がなさそうなプレーに終始していた。単純なミスも目立ち、スタメンを外されることもあったぐらいだ。

「なんでああなってしまったのか、自分でも分からない。今となっては本当に悔やまれる。自分が良ければ、ガンバはもっと勝ち点を稼げたし、もっといい内容のサッカーができたはず。ずっと申し訳ないと思っていた」

【次ページ】 「センターバックでは世界で通じないと痛感した」

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